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Vol.354 2020.05.12

浮世絵から見える江戸時代の人々

“百物がたりのまなび”とは?
~人々の暮らし「お化け」の関係~

KUMONでは1986年から子ども文化研究のために浮世絵を中心とした文化史料を収集・研究してきました。今回は江戸時代の人々と「お化け」の関係に迫る浮世絵を紹介します。浮世絵から垣間見える江戸時代の人々の暮らしを一緒に想像してみましょう。

目次

「お化け」のお話をしましょう・・・

そもそも「お化け」は妖怪や幽霊の総称のようですが、最近は妖怪「アマビヱ」が話題となっていますね。この妖怪は弘化3(1846)年4月の中旬頃、熊本(当時の肥後)の海に現れ、6年間の豊作と疫病の拡大を予言し、対策として自分の姿を描いて人々に見せなさい、と告げて海に消えていったといいます。かなり昔の話ですが、新型コロナウイルス拡大防止の影響で、突然に臨時休校が始まったころ、新型コロナウイルスの終息を願って、子どもたちが家で「アマビヱ」を描いてツイートし始めているという話題がニュースでも取り上げられていましたね。さて、今回は「アマビヱ」のような話を楽しむ子どもたちを描いた作品を取り上げます。

江戸時代の怪談の会・・・「百物がたり」

江戸時代には「百物がたり」というお化けの話を楽しむ怪談話の会があったそうで、「新板子供遊びの内 百物がたりのまなび」という作品にその様子が残されています。
「百物がたり」という遊びは、冬の晩に子どもたちが集まって行灯(あんどん)に百本(実際は数本)の灯心(明かりを灯す糸の束)を灯して、怪談を一つ語るごとに一つずつ消していき、百話目の怪談話が終わり全ての灯が消えると暗闇の中にお化けが現れるとされて行われた遊びだったそうです。

「百物がたり」の遊びから得られる学び

「百物がたり」は年齢の違う子どもたちが集まり、大人や友だちから聞いたことがある怪談話を語る会です。みんなを怖がらせるには「ドロドロ」とか「ヒュ~」という擬音を入れたり、道具を使ったり、身振り手振りで工夫を凝らして語ります。参加した子どもはちょっと怖いけど、楽しみながらいろいろな怪談話を集中して聞いて、自分のネタを人前で披露しながら、堂々と語れるようになっていったことでしょう。この浮世絵の題名に“百物がたりのまなび”とありますが、子どもたちにとっては「百物がたり」は江戸時代版のアクティブな学びだったのかもしれませんね。

百物語
『新板子供遊びの内 百物がたりのまなび』 歌川芳虎 天保頃(1830-1844)
畳には菓子袋、菓子をのせた盆、茶飲み道具などが無造作に置かれ、火鉢を囲んで正面の子どもが身振り手振りを入れながら怪談話を語っています。周りの子どもたちは興味津々で聞き入っています。部屋の中央には蝶の絵の屏風が立てられ、背後には行灯が置かれています。おやおや左奥の3人は話に参加しないで長火鉢の周りでお茶でも飲んでいたのでしょう。それを見つけた男の子が、こっちで話を聞け!と言わんばかりに屏風の陰からお化けの“かかし”で3人をおどかしたのでビックリして逃げ回っています。「百物がたり」を長火鉢を囲んで楽しんでいる様子から冬の夜の楽しみだったことがわかります。

関連リンク くもん子ども浮世絵ミュージアム

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