新しい年に福を招く七福神
みなさん、「令和」最初のお正月はどのように過ごされましたか。
今回は新年にちなんで、歌川芳藤が描いた「七福神春往来」というおめでたい作品をご紹介します。
お正月には七福神詣は欠かせないという方も多いかと思います。
江戸時代の後期に七福人信仰が流行していたころ、新年に七福神めぐりをしたり、宝船など七福神の絵を飾ると一家に福を招くと信じられていました。この絵の中には七福神が子どもたちと戯れる姿が描かれており、開運招福の「吉祥画」として売られていました。
それでは絵の中を見ていきましょう。
まず右端の大黒天は、神使であり今年の干支でもある大きなネズミを連れていますね。その後ろが子ども好きの布袋和尚で、新春を彩る餅花をかつぎ子どもの手を引いています。中央には羽子板を手に持つ弁財天、その右がタイをつれた恵比須、左は鹿をつれ、絵双六を持つ福禄寿。その左は太鼓を持つ寿老人で、「一万度御拔大麻」と書かれた御幣を持つ鶴をお供にしているようです。左端は毘沙門天で、笛を手に子どもに話しかけており、虎も従えているようです。手前では小犬がじゃれ遊び、背後の雲の彼方には富士がそびえ、タカが飛び、たこが揚がっている。一富士、二タカ、三ナスビの初夢にちなんだナスビ(ナス)も、どこかにあるのでしょうか。
絵を紹介しているだけで『福』が舞い込んできそうです。みなさんのところにもきっと『福』が舞い降りていますよ。
今年がみなさんにとって、『福』づくしで、おめでたい1年になりますように。
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