外部パートナーとの環境保全活動

KUMON森の基金

KUMONグループは、これまでも様々な環境団体へ寄付を行ってきましたが、2014年にKUMON森の基金を設立し、環境保全活動を行う団体に対する支援を継続的に実施できる制度を構築しました。

KUMONグループでは、教材などで非常に多くの紙を使用しています。そのため、「紙資源を無駄に使用しないこと」を環境に関する重要な課題の一つとし、これまで環境配慮紙の使用や教材以外の紙使用削減、古紙をリサイクルする活動を社員一丸となって行ってきました。

今後も、自らの環境負荷の削減に努めるとともに、KUMON森の基金によって、外部パートナーとともに森林資源を守る活動を推進することで、地球環境の保全と持続可能な社会の実現に貢献していきます。

WWFジャパンの森林保全活動への支援

KUMONグループはKUMON森の基金によって、世界100カ国以上で活動する地球環境保全団体であるWWFネットワークの一員であるWWFジャパンを2014年より支援しています。

WWFは1961年にスイスで設立されました。地球上の生物多様性を守ることと、人の暮らしが自然環境や野生生物に与えている負荷を減らすことを柱に活動しています。そのひとつが森林保全です。

WWFジャパンは、希少種の調査保全や植林による森林再生などの現地フィールドにおける直接的な活動に加え、地域コミュニティの支援、日本での責任ある原材料調達などを通じて、持続可能な森林保全を目指して活動しています。また、環境教育プログラムの開発や環境に関するセミナーなどを通じた普及啓発活動も実施しています。

グローバルなネットワークを通じて、世界各国で森林保全活動を支援し、また、環境教育にも取り組んでいるWWFジャパン。世界で教育を通じ、地域社会、地球社会に貢献することを目指すKUMONグループとしても、この活動に共感することから、支援を続けています。

紺綬褒章を受章

2022年はWWFジャパンの森林保全活動への支援活動が評価され、紺綬褒章を受章しました。2022年8月17日には、環境省にて賜物伝達式が執り行われ、褒状が授与されました。紺綬褒章は、公益のために私財を寄付し、その功績が顕著な個人または団体に対し授与されるものです。

コロナ禍においても、インドネシアにおける大切な自然を守る子どもたちを育て、自然と共生する社会を目指したESD活動を支援するなどの功績が認められての受章です。

持続可能な社会の創り手を育成するESDは、持続可能な開発目標を達成するために不可欠である質の高い教育の実現に貢献するものです。KUMONグループは、これからもWWFジャパンへの支援を通じて、森林保全と持続可能な教育の実現に貢献していきます。

※ESD:Education for Sustainable Developmentの略。環境、貧困、人権、平和、開発といった世界のさまざまな問題の解決につながる新たな価値観や行動を生み出すこと、そして持続可能な社会を創造していくことを目指す活動。

1. インドネシアにおけるESD活動

生物多様性が豊かなボルネオ島ですが、アブラヤシ(パーム油のもととなる植物)を育てるための小規模農家による農園拡大によって、年々森林が減少しています。

ボルネオ島の西カリマンタン州メラウィ県で持続可能なパーム油の生産を実現し、森林破壊を食い止めていくためには、地域全体の環境意識を高め、森を管理していく体制を築いていくことが必要です。

1人でも多くの地域住民の意識、関心を高めていくために、対象地域の中学校2校にて、ESDの導入を進めました。ESDを通して中学校で目指すことは、①環境教育を実施する体制を築くことによって、子ども達だけでなく、教職員や地域住民の環境意識を高めていくこと②地域の特徴やニーズに沿ったカリキュラムを作り、より多くのステークホルダーが持続可能な県づくりの参画を目指すことです。

WWFがメラウィ県で活動を開始した当初は、主に小規模農家と県政府との協働でしたが、時が経過するにつれ活動内容や範囲は拡大し、持続可能な県づくりにむけて多くの関係者が関わるようになってきました。現在では、中学校2校の校長先生も参加し、様々な団体が3~4ヶ月に一度は交流し意見交換を実施しています。

2.ブラジルにおける森林保全活動

ブラジルは、急速に進む農地や経済発展などに伴い森林破壊が続いています。WWFジャパンは2022年からブラジルの二つの重要な生態系、セラードとアトランティックフォレストで森林保全活動を開始しました。

ブラジルの中央を縦断する広大なサバンナ地帯であるセラードは、豊かな生物多様性、大量の炭素貯留、豊富な地下水源を誇ります。しかし、この地域の自然が今、牛の放牧や、大豆などの栽培を目的とした大規模な農地開発により失われ続けています。

WWFは再生に適した地域で種の収集や苗木の育成など行う地域住民を支援し、ともに植林などの森林再生を推進しています。大豆の流通にかかわる企業との対話などを通じて、大豆生産による森林破壊を食い止める活動も行っています。

ブラジルの大西洋の沿岸部にあるアトランティックフォレストは生物多様性の宝庫でありながら、過去数百年間、経済発展による開発が進んだ結果、今では元の森林がわずか12%しか残っておらず、多くの固有種が絶滅の危機にさらされています。

WWFは、他の環境団体などと共に、この地域で2050年までに1500万haの森林再生、という目標を掲げ活動しています。地元に根差したNGOや地域のコミュニティと協働で、アグロフォレストリー(森林と農業が共生する農法)を通じた再生と収益の両立や、水源の改善に繋がる土地の再生など、地域の人々の暮らしのニーズと森林保全を合わせた再生活動に取り組んでいます。

Present Treeを通して植樹活動に参画

公文教育研究会は、紙使用量を減らすため、全国の指導者が報告書を教室システムで提出したり、教材や物品の請求をWeb請求にしています。これらを行うことにより、指導者にグリーンポイントが付与される仕組みを作っています。グリーンポイントで貯めたポイントは、1ポイント1円としてNPO法人環境リレーションズ研究所が主催するPresent Treeの植樹活動に寄付することができます。

2022年度は指導者から集まった寄付金6万6千円を含め、総額で15万円を宮城県大崎市の植樹活動に寄付しました。植栽地は、山形と秋田の県境に最も近い鳴子温泉鬼首(おにこうべ)地区にあり、福島第一原発事故の影響で一時放牧牛の受け入れを休止していた地域です。牧草の需要が減り、採草が行われなくなった採草地跡の一角を自然の森に戻すため、広葉樹の苗木を植栽しました。鳴子温泉峡に位置する江合川の水源近くに広葉樹の森をつくり、下流の米どころを潤す水を育みます。

各年度の外部パートナーとの環境保全活動

KUMONグループの環境経営

環境理念、環境方針、環境推進体制

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