第58期決算のご報告2019年4月1日~2020年3月31日2019年4月1日~2020年3月31日

1. ごあいさつ

事業の経過および成果

当連結会計年度における国内経済は緩やかな景気回復基調で推移したものの、国内では、2019年10月に実施された消費税率引き上げが、消費者心理へ大きな影響を及ぼしています。

さらに海外では、国家間の経済摩擦の激化や英国のEU離脱問題の迷走に加えて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大に伴い、先行きの不透明感が急速に広がっています。

KUMONグループは2019年2月に、「飛躍的な学習効果の向上」と「持続可能な形での地域へのさらなる浸透」を柱とした、2019-2025中期経営方針「イノベーション2025」を定めました。そしてこの方針に基づき、国内事業方針として「未来創造2025」を打ち出すとともに、海外事業についても中期計画を策定して、以下のように2019年度の活動を開始いたしました。

国内の「未来創造2025」に基づく活動としては、従来よりもさらに地域個別の状況に根差して、活動を地域に適応させる取り組みを進化させています。その進化スピードを上げるため、現場の社員間での学び合いと成長を促進できるよう、小さく分立する事務局の再編を行い、段階的に1県1つの「ブランチ」と全国8つの「リージョン」が有機的に連携する体制への移行を進めています。この移行のプロセスと並行して、業務改革やフレックスタイム制導入・ICTの駆使等を複合させ、働き方改革の次元を超えて新たなKUMONの働き方を創造する「働き方創造」を全社員で追求し、生産性の向上を図っています。全社員がオンラインでつながって「働き方創造」の実践知を交換する、全社勉強会も定期的に実施しています。その結果、会費改定以降減少傾向であった生徒数は次第に復調へ向かいました。10月の消費税率引き上げも、この復調傾向に大きな影響はあたえませんでした。

海外では、地域特性に応じた教室設置を実現する地域デザインの取り組みや、開設初期の指導者トレーニングをはじめとする活動の進化がありました。生徒数の面でも、KUMONグループが直接事業を行う地域合計は、海外事業年度末の12月時点で年度累計生徒数は前年比103.2%の成長となり、カナダが初の9万人突破、インドネシアが15万人突破、ドイツが1万人突破したのをはじめ、最高生徒数を更新した法人が相次ぎました。「イノベーション2025」の重点活動である「グローバル企業としての体制進化」においても、グローバル共通会計システムの更新、各法人におけるコンプライアンスポリシーや情報システムポリシーの制定、BEPS対応としての内部取引ルールの変更など、各方面で整備が進みました。海外法人社員が日本で実務にあたりながら研鑚を積むなどのグローバル人材交流の進展、6か国を数えた新規国展開の多さなども2019年度の顕著な動きです。

こうした国内外の取り組みはすべて、「健全にして有能な人材の育成をはかり地球社会に貢献する」という公文の理念を実現することと同時に、国連の「持続可能な開発目標」(SDGs)の目指すものへ貢献することも意識して行われています。SDGsについてはまた、経営メッセージや情報共有を通じてSDGsについての社員の理解共有を進めると同時に、企業としてのSDGs推進のための委員会を設置し、KUMONの事業が関わるテーマについての検討を開始しています。

このように進化・成果を生んでいた2019年度活動ですが、新型コロナウイルス感染症対策により、多額の特別損失を計上しました。海外においても中国をはじめとする国・地域で事業活動に多大な支障が出ており、次年度損益への影響は避けられない状況にあります。

この結果、当連結会計年度の売上高は、917億70百万円と、前連結会計年度に比べ12億40百万円減少しました(前期比1.3%減)。営業利益は136億48百万円(前期比3.2%増)、経常利益は132億25百万円(前期比1.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は72億40百万円(前期比24.7%減)と減収減益となりました。売上高が減少したにもかかわらず営業利益が増加したのは、広告費等の経費の減少によります。また、親会社株主に帰属する当期純利益の大幅な減少は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う損失を特別損失に計上したことによります。

なお、令和2年3月末現在の全世界での学習者数は、392万名となりました。

株式会社 公文教育研究会
代表取締役社長 池上秀徳