第64期決算のご報告2025年4月1日~2026年3月31日2025年4月1日~2026年3月31日
1. ごあいさつ
事業の経過および成果
当連結会計年度における社会・経済環境は、世界的には保護主義的な政策動向や地政学リスクの高まりを背景に先行き不透明な状況が続き、日本においても、賃上げを背景とした個人消費の持ち直しが進む一方で、海外経済の減速や米国の追加関税など外部環境の影響を受け、物価上昇が続く中でコロナ禍以降の回復のペースに遅れが見られる状況となっています。
そのような事業環境の中、2025年度はKUMONグループ2019-2025中期経営方針「イノベーション 2025」の最終年度としてグループ全体での活動を重ね、国内・海外ともに前期を上回る累計生徒数を達成しました。
国内教室事業においては、コロナ禍を経て年間での入会者数が進級・進学時期に高まっている状況から、市場のニーズをとらえ「進級・進学 無料トライアル」と称した生徒募集活動を拡大し、小学生の入会者数増につなげてまいりました。また、市場全体へのブランディングリニューアルを通じて、未入会顧客における「学力と自己肯定感を育む子ども主体の学習法」という認知が向上しております。教室設置におきましても、新設教室数が24年ぶりに年間200教室を超え、首都圏、東海および近畿といった都市部を中心に全国の拠点数維持に寄与しております。
また、国内において2024年6月より正式導入したタブレット学習“KUMON CONNECT”(以降KC)については、学習者数52,131名(前年比144.8%)、導入教室数8,074教室(前年比184.8%)と推移しています。導入教室率は54.3%と半数を超え、KC学習者数が100名以上となる指導者は全国で22名にまで増えてきております。なお、当社の国内教室事業および通信学習においては昨今の社会環境の変化に伴う各種費用の増加等の状況に鑑み、2026年4月より会費改定を実施し、主に教室の収益性改善をはかります。
海外教室事業の成果としては5地域(北米、南米、アジア・オセアニア、中国、ヨーロッパ・アフリカ)の合計学習者数が対2019年12月比100.3%となり、コロナ禍前の学習者数を上回ることができました。結果、5地域と中東・パキスタンの2025年12月度の合計学習者数は1,238,053名(前年比103.4%)、教室数8,660教室(前年比103.3%)となりました。海外教室事業におけるKCの導入は2023年1月より開始いたしましたが、導入開始から3年を経て学習者数264,151名(前年比139.4%)、導入教室数7,058教室(前年比112.0%)、導入教室率は81.5%、KC学習者100名以上となる指導者は637名となっております。また、2025年1月より海外教室事業の指導者に対する有償のサービスとして開始したオンラインによる教材採点センター、KUMON GLOBAL GRADING CENTER(以降KGGC)については、利用者数となる延べ学習者数は、2025年1月の88,758名に対して同年12月は103,555名となりました。
海外教室事業における新たな取り組みとして、2025年10月にGlobal Students Conferenceを開催いたしました。本取り組みは、2017年に北米公文が対面形式で開催した「優秀児の集い」がコロナ禍を機にオンライン形式へと移行したものをもとにして、北米、南米、ヨーロッパ・アフリカの3地域合同により開催されたものです。2026年度には、アジア地域からの参加も計画しており、当社では公文式で学ぶ世界各国の生徒たちがオンラインでつながる機会を設けることで、生徒たちの学習意欲向上およびさらなる成長を支援する機会の創出を目指しています。
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国内グループ会社においては、株式会社くもん出版が2024年度より事業継続とその後の再成長に向けた事業基盤の再構築に取り組んでまいりました。2025年度は、高収益分野の開発を強化し、新商品である「立体ドット絵メーカー」は2025年日本おもちゃ大賞〈エデュケーショナル部門〉優秀賞を受賞しました。また、くもん出版商品のコーナー「KUMONすくえあ」導入店舗は500を超え、導入店舗での売上は前年比111.8%となっております。海外においてはタイでの販売店との協業を開始し、当初予測の2倍を超える受注を得ることができ、シンガポールやマレーシアへの展開を進めております。結果として2025年度は営業利益目標の達成に至っております。
株式会社公文エルアイエルは、中学生以上の大人層入会者数増と指導者募集の機会増、社員に寄り添う組織づくりに向けた取り組みを進めてまいりました。年間3回の生徒募集イベントにおける入会者が前年比121.6%となり、大人層への訴求が進みつつあります。また、2024年度から開始した「シニア書写教室」は学習者が1,000名を超えて拡大を続けております。指導者募集においては対面およびオンライン以外の動画説明会を増やすことで参加者は前年比129.0%につながりました。組織づくりとしては、社員同士の一体感を醸成しつつ、社員採用3年間で採用者の退職者数をゼロのまま維持しており、安定した組織基盤を構築しております。
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社会課題への貢献としては、SDGsの目標4に掲げられる「質の高い教育をみんなに」、目標17の「パートナーシップで目標を達成しよう」を目指すものとして、株式会社りそな銀行と提携し、新商品「ソーシャルインパクト預金(愛称:教育プラス預金)」を活用した教育支援活動を開始しました。
また、当社は1977年から一部の少年院での矯正教育支援に取り組んでおり、2022年からは、出院後の少年の就職を受け入れ更生を支援する企業からの委託を受け、兵庫県の加古川学園、大阪府の和泉学園で就労のための公文式学習支援を実施してまいりました。2025年度からは、関西の7つの少年院で法務省と連携した就労を見据えた学習支援および調査研究を開始しました。本プログラムを通じて、学習支援と就労支援がつながった新たな支援モデルのあり方の検討を進めてまいります。
なお、2015年から行ってまいりました「トビタテ!留学JAPAN」(文部科学省が民間企業と協力して運営する留学支援プログラム)への協賛活動により、この度紺綬褒章を受章しました。
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以上の結果、当連結会計年度の売上高は、967億60百万円と、前連結会計年度に比べ27億21百万円増加しました(前期比2.9%増)。営業利益は156億3百万円(前期比5.9%減)、経常利益は191億62百万円(前期比14.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は133億24百万円(前期比13.3%増)と増収増益となりました。営業利益の減少は、広告宣伝費の増加等によります。また、親会社株主に帰属する当期純利益の増加は、前連結会計年度は円高による為替差損が生じたところ当連結会計年度は円安による為替差益が生じたこと等によります。
なお、2026年3月末現在の全世界での学習者数は、前年より1万7千名減の355万3千名となり、海外連結子会社の2026年3月末現在の学習者数は、前年より2万5千名増の125万6千名となりました。
株式会社 公文教育研究会
代表取締役社長 田中三教