TALKABOUT KUMON

なぜ、KUMONで人は育つのか。
「公文の理念」を個人の成長に繋げる仕組みとは?

KUMONにおいて、社員の成長は手段ではなく
目的そのもの。個人の成長を起点にした
人材開発・組織の進化が未来への推進力となる。

KUMONは、「公文の理念」に共感する人の集合体である。そして、人(社員)の成長こそが経営の根幹であると考えるKUMONでは、社員の成長を考える上でも、この理念を最も大切なミッションに据えている。では、KUMONはこの「公文の理念」を、どのように人材育成の仕組みに落とし込み、運用しているのか。KUMONで人が育つ理由をひも解いていく。

SPEAKER PROFILE

人事本部 本部長

湊 泰成

1990年入社/法学部卒

入社後、沼津、土浦、いわき、上野、越谷、前橋の各事務局にてコンサルティング、リクルート、育成の業務担当、そしてリーダーとして、メンバーや指導者とともに、地域におけるKUMONの発展に力を注ぐ。この間、人と関わる力を高めることを目指し、産業カウンセラーの資格を取得。2010年からは、人事業務に携わり、それまでのキャリアを生かしながら、現在のKUMONの人事制度の根幹となる「成長等級制度」の策定プロジェクトを推進。2024年より人事本部の本部長に就任。

中国四国リージョン
リージョナルマネージャー

安部 真由美

1998年入社/国際文化学部卒

女性総合職の先駆けとして入社し、松江、岡山、西宮の事務局で地区担当業務に携わる。指導部では指導講座の企画運営、指導マニュアル制作などに携わり、直営教室の開設・指導運営も経験。その後、京都・滋賀・奈良エリアの育成チーム、大津・彦根、新宿の各でのリーダーを経て、2019年から約4年間、ドイツ公文にゼネラルマネージャーとして駐在。帰任後、教室ネットワーク推進部長を務め、2025年からは中国四国リージョンを統括するリージョナルマネージャーを務める。

※所属部署・掲載内容は取材当時のものです

TALK THEME 01

KUMONの社員の成長を支援する
「成長等級制度(成長等級要件)」とは。

KUMONは理念を経営の最上位に置く企業です。「人の可能性を発見し、能力を最大限に伸ばす」ことを事業のあらゆる場面で追求するKUMONは、この「公文の理念」に共感し、実践しようとする人の集合体です。

安部

私も「公文の理念」に惹かれて入社しましたが、これほどまでに社内に理念が浸透しているとは思いませんでした。私自身も、子どもたちだけでなく、指導者、教室スタッフ、保護者、社員など、KUMONに関わるすべての人が成長する様子を目のあたりにし、この理念への共感をさらに深めています。また、創始者の公文公(くもん・とおる)が逝去されて30年が経ちますが、社員や指導者に、公会長の言葉や思想は大切に継承され、根付いています。「ちょうどの学習」や「悪いのは子どもではない」、「やってみよう。やってみなければわからない」といった創始者の思想は、社員に対する教育にも大いに反映されています。

KUMONでは人材育成もこの理念に基づいており、ここで謳われている人の成長を大切にする風土が、KUMONの発展の礎となっています。「社員の成長は手段ではなく、目的である」という思想は歴代の経営陣に脈々と息づいており、経営は「KUMONの真髄は一人ひとりの成長にあり、社員一人ひとりの成長がKUMONの最大のミッションである」という強い意思をもっています。この思想のもと、社員の成長を育む風土作りを目的に策定されたのが、KUMONの成長等級制度であり、この制度の中核となるのが「成長等級要件」です。
この成長等級要件は、社員の成長ステップを6等級に区分し、各等級に期待される成果や行動、役割や、課題解決力、挑戦力といったコンピテンシー(身につけたい力)を定義したものです。この成長等級制度は単なる人事制度ではなく、社員の成長のための道しるべであり、社員の成長のための全社員共通のものさしであり、さらに社員の成長を支援するためのコミュニケーションツールでもあります。社員一人ひとりが成長し、幸せになることを目指して設計された制度なのです。

安部

成長等級要件には、KUMONが目指したい風土、目指したい社員像がはっきりと示されています。社員一人ひとりが学び続け、成長し続けることにより、組織の力が向上し、永続的な成果を出し続ける風土をつくること。そして、自ら描いたビジョンを実現するための成長を楽しみ、社会における価値創出に向けて、自らを高めることを惜しまず、他者の成長を自らの喜びとする「KUMONパーソン」になること。この成長等級要件により、私たち社員が進むべき道は、より明確になりました。

TALK THEME 02

社員の成長を促す風土は、どのように醸成されるのか。

成長等級要件は2017年度に制定され、現在に至っています。「成長の道しるべ」として、自分自身のありたい姿と重ね合わせ、振り返るための「成長のものさし」として、そして「コミュニケーションツール」として、リーダーとメンバーとの目標設定や昇格等の機会に活用されています。

安部

若いメンバーのなかには、仕事を進めるなかで壁にぶつかり、思い悩んでいる人もいます。そんな時、「あなたはどうありたいのか?」と問いかけて対話を重ね、成長等級要件に沿って「ありたい自分」に近づける目標をともに立てていく。私が若手の頃、指導者の先生方と関わるなかで味わった感動体験などもお話しして、メンバーの気持ちを高めることに努めています。成長等級要件はコミュニケーションツール、まさにそうですね。設定した個人目標を上長やメンバーで共有して終わり、とはしないところに、KUMONの風土があります。現在私が管轄している中国四国リージョンには、9のブランチと1つのチームがあります。各ブランチ・チーム内には、個人目標の共有や活動期ごとの目標の振り返りを行いながら、お互いの頑張りを認め、応援のコメントを伝えあう機会があります。またリージョン単位でも、ブランチやチームを越えた横のつながりの中で、同様の機会を設けています。等級や役割を越えて「成長のものさし」を共有するメンバーやリーダーと話し合い、ほめ認め、応援しあうことで、社員の成長に「再現性」が生まれていると感じます。

我々が目指すのは、社員一人ひとりが最大限に能力を発揮し、チームで成果を創出していく組織です。そのためには、メンバー自身が成長する力を高めていくことももちろん必要ですが、リーダーを中心に、メンバー同士が互いの成長に関わっていくことこそが大切なポイントだと考えています。様々な実践や学びを通して、「お互いの成長に関わる、応援し合う風土」が年々強くなってきていることを感じますね。

安部

社員の成長を支援するために、全社的に新たな取り組みも行われています。たとえば人材育成にあたっては、社員が所属するリージョン・チームのリーダーやメンバーだけではなく、別のリージョンのチーム、本社スタッフ部門、海外駐在中の社員と対話する機会も設けられています。所属チーム内の「タテ・ヨコ」の関係では、社員の目標や成長が、チーム内での役割や担当業務と紐づいたものになりがちです。また同じ業務への関わりが長くなると、固定観念にとらわれることや、マンネリに陥ることがあります。その点、他部署のメンバーとの「ななめ」の関係においては、目の前の業務をいったん脇に置いて、この会社で自分が挑戦したいことや、数年先のありたい姿を語りやすい良さがあります。メンバーの成長支援においては、リーダーが適切にそのような機会や役割をアサインすることも大切だと考えます。例えば私が率いるリージョンのブランチに、現在はコンサルティング業務に携わっているが、「ありたい自分」になるために、本社での業務を経験してみたいと望むメンバーがいれば、本社部門のスタッフと話をしてキャリアを考える機会を積極的に提供しています。また社内では、KUMONの未来を考えるプロジェクトなどが絶えず進行しており、キャリアや経験年数にかかわらず意欲のあるメンバーと交流することで、本人の成長につながる新たな気づきがたくさん産み出されます。イキイキと新たな気づきを語る社員に接することは、私たちの何よりの喜びの一つです。

「ありたい姿」というのは、様々な経験や人との出会いや対話を通して変化をし、ブラッシュアップされていくものです。メンバー同士、お互いのありたい姿を理解し合い、その実現に向けて応援し合える、そんな風土が根づいていることこそ、KUMONがもっとも誇れることだと、私は思っています。

社員が学び成長し続けることが、
これからのKUMONを支える力となる──。
「成長等級要件」を道しるべに、
一人ひとりの成長を積み重ねていきたい。

TALK THEME 03

KUMONの未来に向けて、人と組織はどう進化すべきなのか。

安部

KUMONの社員は、他者の成長に関わることを通じて自らも成長していくことを常に体感しています。私自身も、かつてコンサルティング業務に携わっていたとき、担当する教室が発展していくのがとても嬉しかったですし、その教室の先生から信頼や感謝の言葉をいただき、自分の仕事に自信を持てるようになりました。そして、より早く、より高い成果に貢献できるように成長したいと、さらに強く思ったものです。

KUMONは仕事を通して、成長の機会や、成長につながる人との出会いが多くありますし、今後もそういう機会をさらに増やしていきたいと思います。

安部

私は「地域限定なし」のコースを選択して入社しましたが、正直に言えば、全国転勤は不安しかありませんでした。当時、私が希望する職務は地域限定なしコースの社員でしかできなかったので、仕方なく選びました(笑)。しかし、実際に新しい場所に赴くと、新しい人との出会いがあり、新しい気付きや発見、学びがあります。そして新しい環境だからこそ、これまでの仕事の仕方をアップデートして、新たな「なりたい自分」への挑戦もしやすいんですね。地域特性やそのときの事業環境に応じて柔軟に変化・進化させていくべきこと、不易のものとして貫くべきことなど、さまざまな地域や部署を経験するからこそ得られる学びがあります。こうした偶発的なキャリア形成も、KUMONの社員の成長を支えていると思います。

これからの時代、社会の変化のスピードはさらに高まり、また教育に求められることも多様化してくるはずです。今後はこのような変化を前提として、仮説・実践・検証のサイクルを回すスピードを上げていきたい。そのためには特に3つの取り組みの姿勢を大切にしたいと考えています。失敗を恐れず、失敗から学ぶことで、進化の方向を見出す「トライアル&エラー」。相手の立場に立ち、相手の視点で考えながら、学習者や保護者とともに価値を共創する「顧客ファースト」。そして、全社員が当事者として、組織の壁を超えて知恵を結集していく「一人ひとりが主役」という姿勢です。

安部

そうした取り組みを支える基盤としては、担当する地域の特性や取り組むべき課題の違いに応じて、柔軟に形を変えて迅速に動けるネットワーク型・プロジェクト型の組織をつくることや、トライアル&エラーを評価してイノベーションを生みやすい環境をつくっていくことも重要だと思います。

一人ひとりが、自分自身の「ありたい姿」とKUMONの「ありたい姿」の重なりを考えながら、様々なチャレンジを重ねていくこと、また社員だけでなく、会社組織としてもトライアル&エラーの姿勢で、チャレンジを積み重ねていくプロセスが大切だと思います。今後も「公文の理念」の実現に向けて、KUMONの風土を全社員でアップデートしていきますから、これから入社される方もこの理念の下で大きく成長し、やりたいことを実現してほしいと願っています。

出会いと経験で見える景色が変わり、自分の可能性が広がっていく──。
他者の成長を喜び、自らも成長する姿勢が、KUMONの未来をつくっていくはず。

COLUMN CONTENTS

あなたが「成長」を
感じる瞬間は?

Myジャーニーと向き合う時

KUMONでは、新入社員から経営陣にいたるまで、全員が「Myジャーニー」というシートを用いて、これまでのキャリアや経験からの学びを開示しています。具体的には①自分自身に影響を与えた経験、②自分が大切にしている価値観、③自身が考える強み、④将来に向けての成長イメージなどで、お互いが理解し合うことで、学び合いや成長を応援する風土づくりにつなげることを目的としています。私自身、この「Myジャーニー」を定期的に見直すことで、自分を振り返り、次の目標やありたい姿を深める機会にしています。

安部

見える景色が変わる瞬間

いろいろな業務に挑戦し、いろいろな人と出会うなかでは、自分に見えていた景色が変わる瞬間があります。私自身の見える景色が変わる瞬間はもちろんですが、一緒に働いているメンバーや先生方のふとした言動から、その人の見える景色が変わったことを感じたときは、もっと嬉しいですね。そうした瞬間の積み重ねが、私の仕事の原動力になっています。海外駐在では、国や言語、文化を越えて、同じ教材で学ぶ子どもたちや、同じ理念やメソッドに共感する指導者や社員、そしてKUMONを必要としてくださる地域の方々と仕事をする機会に恵まれました。KUMONの一員であることを誇らしく思うと同時に、私がキャリアを通じて見たい景色が、より色鮮やかに、より遠くまで広がったと感じています。

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