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OB・OGインタビュー
Catch the Dream - 夢をかなえる力

2017/10/06更新

Vol.048 行動科学者・パブリックヘルス専門家
林英恵さん  前編

「何になりたいか」ではなく
「何をやりたいか」
 

林 英恵 (はやし はなえ)
1979年千葉県生まれ。渋谷教育学園幕張高校、早稲田大学社会科学部を卒業後、アルバイトなどを経てボストン大学教育大学院教育工学科へ入学。ユニセフのインド事務所でインターンとして勤務後、2007年に外資系広告代理店のマッキャンヘルスケアワールドワイドジャパンに入社。同年、ハーバード公衆衛生大学院修士課程(ヘルスコミュニケーション専攻)に合格。会社員として働きながら大学院にも通い、ハーバード公衆衛生大学院にて修士号と博士号を取得。著書に『それでもあきらめない ハーバードが私に教えてくれたこと』(あさ出版)。現在は、同社でニューヨークに拠点があるマッキャングローバルヘルス部門のアシスタントディレクターをしながら、研究活動にも従事している。ヨガ講師の資格を持ち、日米のコミュニティで料理とヨガを通じた活動を行っている。

「一人でも多くの人が与えられた寿命をまっとうできる世界をつくること」――それを自身の使命とし、国際機関や政府機関、自治体、企業などの健康プログラムの戦略開発を行う林英恵さん。いまでこそ日米を行き来してご活躍されていますが、20代のころは、希望していたマスコミ各社にことごとく落ち、家にこもりがちになったこともあったそうです。そこからどのようにして立ち上がり、「本当にやりたいこと」を実現しているのでしょうか。その道のりやキャリアの積み重ね方について、生い立ちを交えてうかがいました。

好奇心旺盛で、「子ども電話相談室」に毎日電話

私の専門は「パブリックヘルス(公衆衛生)」です。パブリックヘルスは、文字どおりみんな(パブリック)が健康(ヘルス)になるための社会づくりを目指す学問です。中でも、多くの人が健康でいられるように、人々にどのように健康の習慣づけをしたら良いのかを研究する行動科学と、病気や健康になる理由を社会的なことに焦点を当てて分析する社会疫学、そして、健康に関することを一般の人にどのように伝えたら効果的かを追求するヘルスコミュニケーションを専門にしています。

現在勤めているアメリカの広告代理店では、たとえばユニセフのポリオ撲滅のコマーシャルなど、人びとが病気を予防し、健康になるような広告をつくっています。人の行動を変え、健康にさせるにはどうしたらいいか、パブリックヘルスの視点が活かされる仕事です。広告主は国際機関や政府・自治体、企業と多岐にわたります。近年は健康分野に関心をもつ企業も増えてきているので、ビジネスと社会貢献をどう結びつけるかといったことも企業と一緒に考えています。

私は成田空港から東に30分、江戸情緒が残る千葉県佐原市(現在は香取市)で、生まれ育ちました。父は建築士、母は料理講師、そして妹1人と母方の祖父母とで暮らしていました。父方の祖父母もすぐ近くに住んでいます。幼いころの私は、とにかくおてんばで制御不能(笑)。興味があったところに飛んでいって戻らず、迷子の放送をされることが何度もあり、家族にはずいぶん心配をかけました。興味の赴くまま、あちこち飛び回るのは今でも変わらず、「三つ子の魂百まで」は本当だと実感しています。

好奇心も旺盛で、いつも「なんで?」と尋ねてばかりいました。小学生時代はラジオの「子ども電話相談室」が大好きで、時間に間に合うよう毎日ダッシュで帰宅。良い質問だとラジオで放送されるので、毎日質問を考え、電話をしていました。

妹は正反対で、公園に行けば砂場でずっと一つのことに集中して遊んでいるようなタイプ。小さい頃から絵が好きで、現在はイラストレーターとして活動しています。

母はこんなにタイプの違う姉妹を比較することなく、それぞれの得意なことを好きなようにやらせてくれました。いただきものをしたら必ずお礼状を書くとか、あいさつはしっかりなど、しつけは厳しかったですが、やりたいと言ったことに反対されたことはありません。父も同じです。そんな育て方をしてくれた両親、温かく見守ってくれた両祖父母に感謝しています。

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