スペシャルインタビュー
Academic Milestones - 学びを究める力

2015/12/18更新

Vol.027 武蔵大学人文学部教授
小山ブリジット先生  前編

間違いや失敗を恐れずに
好奇心疑問をもって
心から「好き!」なことを見つけ
よう

小山ブリジット (こやま ぶりじっと-Brigitte Koyama-Richard)
パリ生まれ。パリ大学大学院で比較文学博士号を取得。早稲田大学大学院で日露比較文学を学んだのち、複数の大学での非常勤講師を経て、現在は武蔵大学人文学部教授。専門は比較文学、美術(ジャポニスム)。著書に、『夢みた日本 エドモン・ド・ゴンクールと林忠正』(平凡社)など。

芸術の都パリに生まれ、日本には40年近くお住まいの小山ブリジッド先生。大学で教鞭をとる一方で、浮世絵を中心に日本の文学や美術、文化をヨーロッパに紹介されています。「まだまだやりたいことがたくさんある」と、好奇心あふれる小山先生。沸き起こる意欲の源にあるものや浮世絵に関心をもったきっかけ、フランスと日本の教育の違いなどについてうかがいました。

ほかの人がやらないことをやるのが楽しくて
日本の浮世絵を研究


「浮世二十四好 楊香」渓斎英泉
公文教育研究会所蔵

わたしは「フランス人の日本美術研究家」と紹介されることもありますが、大学ではヨーロッパ比較文化や比較芸術、フランス語などを教えています。文学・文化・芸術は、結局全部つながっています。わたしは文学なしで美術は学べませんし、逆に美術なしで文学は学べないと思っております。とくに、研究分野である19世紀のフランス文学と日本文学に関しては、日本美術がジャポニスムという芸術運動を西洋にもたらし、文学にも影響を与えています。

もともとわたしはフランス文学とロシア文学を学んでいました。それに日本文学を学ぶようになったのですが、当時、ロシア文学と日本文学を専門的にやっている人はほとんどいませんでした。わたしはほかの人がやらないことをやるのが楽しかったのです。いまでもそうですが、何かを調べているときにそれに関連する書籍がないと、「どうしてないのだろう。ないのならわたしがやって、世の中の役に立たなきゃ」と奮い立ちます。

浮世絵にしても、フランスでは葛飾北斎、安藤広重、喜多川歌麿についての本はたくさんありますが、ほかの絵師についてや、摺師(すりし)など作り手の仕事や作り方については、ほとんど知られていません。素晴らしい文化でありながら知られていない。それを西洋人に知らせたくて、研究を続け、フランス語で本にまとめたりしています。

浮世絵は色彩だけでなく、遠近法を取り入れた構図もおもしろい。描かれているのがどんなことなのかと調べていくと、いろいろなことがわかり、つねに新しい発見があります。公文教育研究会は、子どもが描かれた浮世絵を収集されていますが、それらはとくにユニークです。浮世絵の中の子どもたちは、いたずらしていたり、ふざけていたりと子どもらしい自然な姿が描かれています。一方、西洋画の中の子どもはきちんとポーズをとっていて動きはありません。それはなぜなのか比較するのもおもしろい。

まだまだほかにも調べてまとめたいことがたくさんあって、150歳まで生きないとすべて実現できそうにありません(笑)。

自信を与えてくれたお母さんの言葉とは?

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