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Vol.057 2018.09.07

イラストレーター ももろさん

<前編>

成長していこうと思う限り
学び終わりはなく、
人生を拓くきっかけになる

イラストレーター

ももろ (ももろ)

神奈川県生まれ。地元の小学校を卒業後、公文国際学園に進学。理系の大学・大学院に進み、一般就職。働きながら各種コンテストに応募したり、展示会に出展したりすることを機に、イラストレーターの道へ。笑い声が聞こえてくるような生き物の動きや、楽しくなる色の組み合わせを大切に、ストーリー性のある外国の絵本タッチのイラストを制作。雑貨やステーショナリー、ぬいぐるみのデザイン、教材の挿絵なども手がける。オリジナル雑貨ブランド Bitte Mitte も展開中。

思わず「かわいい!」と声をあげてしまうような愛らしい動物たちのイラストを得意とする、ももろさん。書籍の挿絵や絵本の制作などのほか、自身の雑貨ブランドをもつなど、幅広く活動されていますが、実は絵を仕事にするとまでは考えていなかったそうです。そんなももろさんが、イラストレーターとして活躍されるまでには、どんな道のりがあったのでしょうか。公文国際学園に通学するようになったきっかけや、学園生活のエピソードもあわせてうかがいました。

目次

絵に親しむ原点は幼いころのヨーロッパでの美術館巡り

イラストレーターももろさんの作品

私は、書籍の挿絵、雑貨のイラストデザイン、絵本の制作を仕事にしています。動物を描くことが多く、この秋にはおふろと動物をテーマにした絵本を出版する予定です。これまでにもオリジナル絵本を2冊出し、この本が3冊目になります。

仕事として描くほか、毎日コツコツ「自分の描きたい絵」を描いています。色の配色を変えてみたり、新しいタッチを試したりと、好きなように描いていて、その中から「これはメモ帳の表紙に使えそう」など、雑貨になっていきます。「切手っぽいシールがあったらかわいいな」と思って、自分でデザインして印刷屋さんに発注してつくったこともあります。これは個人で通販をしている方に販売してもらいました。自分でつくりたいものがつくれたし、買っていただけたのはうれしかったですね。お金だけで考えていくとつまらないので、こういう自主制作も続けていきたいと考えています。

イラストは、一つの絵で多くを表現しますが、絵本の場合、全部のページがそれですと、メリハリがつきません。あるページのインパクトを出すために、その前のページは空白を多めにするなど、メリハリの効いた構成を考える必要がありますし、ひとつの世界観で32ページくらいを描かねばならず、キャラクターの正面の顔と横顔が違うように見えないかなど、全体を考えながら描いています。

でもじつは、イラストレーターになろうと一途に思い続けていたわけではありません。
私は2歳半から5歳まで、父の仕事の関係でドイツのゲッティンゲンという街に住み、現地の幼稚園に通っていました。自然が豊かで、よく外で遊び、休みの日には家族でヨーロッパのいろいろな国に行きました。行った先では美術好きの両親に連れられ、たくさんの美術館を巡りました。いま思えばこの経験が、絵が好きになった原点かもしれません。

ももろさんが動物好きになる素地をつくった子ども時代

飼い犬と一緒におふろに入るほどの動物好き

イラストレーターももろさんの作品

日本に戻ってからは図書館によく連れて行ってもらいました。絵本専門店でいろいろな絵本を買ってもらったり、絵本を題材にしたミュージカルに連れて行ってもらったりと、絵にはかなり親しんでいました。

一方で動物が好きで、インコや金魚、捕まえてきたカエル、イモリ、ザリガニなど、いろいろな生き物を飼っていました。幼稚園のときから動物図鑑を見るのが大好きで、はやりのアニメには目もくれず、図鑑を見ながら動物を描くような子どもでした。

小学五年生のとき、「この子だ!」と思ったゴールデンレトリバーが家族になりました。「ももちゃん」という名をつけて、いっしょにお風呂に入ったり、犬小屋に入ったり(笑)。ちなみにペンネームの「ももろ」は、この「ももちゃん」からとりました。

そんなふうに動物好きだったこともあり、私が描くのは人間より動物のほうが多いんです。人間は性別や着ている服などで意味合いが変わってきますが、動物はストレートに「楽しい絵なんだよ」ということが表現できるので、自分に向いていると思います。もともと動物好きだから動物を描いている、ということのほうが大きいですが。

なかでも好きでよく描くのは、くまです。体が大きいわりに耳が小さいところ、ふかふかしているところ、そしてじつはけっこう動ける動物なので、ポーズもいろいろ描けるのがお気に入りの理由です。絵本に一番出てくる動物だと思うので、いろいろな人に親しみやすさを感じてもらえるかな、とも思っています。

公文国際学園での生活とは?

「いろんな可能性に挑戦できて楽しそう」と、公文国際学園に進学

イラストレーターももろさんの作品

中学からは公文国際学園に進学しました。地元の公立中学に進むつもりでしたが、6年生のとき、母から「別の選択肢もあるんだよ」と渡されたパンフレットを見たら楽しそうで、挑戦してみることにしました。学園祭を見学し、自由な雰囲気でいろんな可能性に挑戦できそうなこと、生徒数が多すぎず、「自分の学校」と感じられる規模なのもいいな、と思いました。実際に入学してみると、個性的な子が多くて居心地がよかったですね。

印象に残っているのは体育祭です。中高一貫校なので、6学年が4団に分かれて戦います。そのとき、各団を応援するパネルを描くパネル委員という係があり、私はその委員を毎年頑張っていました。縦割りで中1から高3までのパネル委員が、体育祭まで3~4ヵ月をかけて、ベニヤ板を10枚以上合わせてひとつの作品を描くのです。一人で制作するのと違って、それぞれの得意なことを生かしつつ、協力して仕上げることのおもしろさを知りました。

学園では週1回、公文式学習の時間があり、私は国語、数学、英語、ドイツ語を選択しました。それまで公文式の経験はありませんでしたが、やりたいことを、やりたいときに、やりたいだけ進められるので、私には合っていたと思います。毎日コツコツやることの大切さも学びました。いま、絵の仕事をしていますが、仕事の有るなしにかかわらず、自由制作のイラストを毎日コツコツ描くようにしています。毎日やることでしか見えないものがあると感じています。

部活は美術部。木炭でクロッキーを描いていました。これはいまのタッチにも少し影響しています。そのころタブレットを買ってもらい、ペンツールを使ってイラストを描くようになりました。愛犬ももちゃんのホームページをつくって写真やイラストをアップすると、愛犬家の方から反響をいただいたりしてうれしかったです。

高校では、学園祭に向け、有志で恐竜のジオラマをつくったりポスターを描いたりして、ものをつくる楽しさや、いろんな人に見てもらえる喜びも知りました。でも、絵を描くのは趣味であって、将来は獣医さんなど動物に関係する仕事をしたいと考えていました。

後編を読む

関連リンク ももろ ホームページももろ Twitterももろ Facebook『ミルクが、にゅういんしたって?!』※こちらの児童書はももろさんに挿絵をご担当いただきました。


イラストレーターももろさん  

後編のインタビューから

-ももろさんがイラストレーターを目指すことになったきっかけとは?
-ももろさんがイラストを描く上で大切にしていることとは?
-ももろさんから子どもたちへのメッセージ

後編を読む

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