OB・OGインタビュー
Catch the Dream - 夢をかなえる力

2013/11/15更新

Vol.003 手妻師 藤山晃太郎さん  後編

古典芸能の伝承にITツールを駆使
次代へつなぐ「不易流行」の精神

藤山晃太郎 (ふじやま こうたろう)
1977年千葉県生まれ。小学生でマジックに出会い、千葉大学ではマジックサークルに在籍。
卒業後、藤山新太郎に弟子入り。2006年出世披露、藤山姓を襲名。
テレビ出演、海外公演などに加え、大学等で講演活動も行う。
公文は年長から高3まで、数学・英語・国語の3教科を学習。

日本古来の奇術、「手妻」の伝承者、藤山晃太郎さん。大学を卒業し、伝統芸能の世界に飛び込んだ藤山さんは、現代ならではのアレンジを加えつつ、インターネットという現代ツールを駆使して、手妻の魅力を発信中です。藤山さんの考える、古典芸能の今、そして未来につなぐための手法とは?

マジック、そして尊敬する師匠との出会い

マジックと出会ったのは小学2年生のころ、親に買ってもらったマジック本がきっかけでした。今振り返ると、大人が“飲み屋で話の種にできる”ような、マッチ箱やコインを使った内容でした。面白いなぁと思ったものの、周りに同好の士がいなかったこともあって、そのうち遠ざかってしまいました。改めてマジックに出会ったのは、大学のマジック研究会に入ってから。そこではおもにステージマジックを扱っていて、私の性に合っていたし、サークルとしても、とても楽しかったです。

けれど当初は、プロになることなんて考えず、卒業後はいったん会社勤めをしました。マジックは究めたかったけれど、当時、業界では“食べるためのマジック”と“自分が本当に究めたいマジック”は違う、ということをよく聞き、それなら本職を持ちながら自分の芸を磨こうと思っていたのです。

ところが、あるマジック大会に出場したとき、審査委員長をされていたのが今の師匠、藤山新太郎でして、「もっと本気でやってみないか」と誘われたのです。師匠は、「自分の人生をかけて作った一番の手順(マジック)こそ多くのお客様の前で見せたい。今やっている手妻が最高なら、それをどうやったら大勢に見ていただけるかも工夫するべきだ」という考え方で、それに私は心酔してしまいました。

自分の一生のことですから、入門すべきかどうか悩みながらも、私はこう考えました。「将来、自分が年をとって枯れた芸になっても、古典芸能ならそこに深みがあれば、楽しんでいただける。それに、今後グローバル化が進む中で、こういうオリエンタルな芸というのは、もっと価値が上がっていくのではなかろうか?」

もちろん自分が好き、やりたいという気持ちはありましたが、それだけでは長い人生続けていけないかもしれません。最終的に「勝ち目があるか? ある!」、そう判断して足を踏み入れました。両親は反対だったようですが、今後の展望をレポート用紙の束にまとめてプレゼンテーションをしたら、「この子は何を言ってもやっちゃうんだな」と思ったのでしょう(笑)、もう止めることはありませんでした。

師匠に入門して、最初の何年かは修業の日々です。私が特に心がけていたのが、“師匠の言うことを聞く”ことでした。大学を出ていたりすると、小賢しくなりがちというか、自分でなんでも考えて善し悪しをつけたり、懐疑的になりがちです。それは美点ではあるけれど、一回謙虚になって師匠からうかがったことを全部一度受け止める時期があったほうが、より良いと思ったのです。

例えば、師匠が羽織を置いていて、そこに師匠ご自身が蝋燭のロウを垂らしてしまったとします。それは弟子がわるいのです。「理不尽だ。師匠がそこに置いたんじゃないか」と思いがちですが、その位置に蝋が垂れるかもしれないことに気が付かない弟子のほうがわるいということ。こういう経験を積み重ねることで、今、目の前の人が何をしようとしているのか、求めているのか、相手の気持ちに沿うセンスが磨かれるようになります。

舞台に上がれば、自分とお客様は1対1ではなく、1対100、1対1,000人だったりします。1,000人のお客様が何を求めているのかを会場の空気から察して演技をしなくてはいけません。とてもむずかしいことですが、師匠のもとで修業したことで培うことができました。

なぜ、「手妻」という古典奇術が日本に残ったのか?

関連記事

2013/11/08更新

Vol.003 手妻師 藤山晃太郎さん

古典芸能の伝承にITツールを駆使次代へつなぐ「不易流行」の精神

バックナンバー

2018/07/13更新

Vol.056 朝日新聞社
編集記者 逸見那由子さん

人生に成功も失敗もない 周囲と競わず 自分のペースで進んでいこう

2018/06/22更新

Vol.055 小児外科医 吉岡 秀人さん

「いまの自分」を信じ、 「心の声」を聞いて生きていこう

2018/06/01更新

Vol.054 「輪島キリモト」8代目 ブランドディレクター
桐本滉平さん

過去の自分を超えていく 実感をもとに伝えていきたい 輪島塗と漆の魅力

2018/03/09更新

Vol.053 株式会社LOUPE CEO 浅谷治希さん

「雨垂れ石を穿つ」の精神で 「続けること」を大事にすれば 夢は近づいてくる

2018/02/09更新

Vol.052 サイエンスコミュニケーター
工藤光子さん

目に見える形にすることで 科学の面白さと正しさは より多くの人に伝えられる

記事アクセスランキング

おすすめ記事 Recommended Articles
KUMONトピックス
Feature Report 進化し続ける活動
カテゴリーを表示
NEW
Vol.269
仲間たちとともに60周年
「スーパーカブと素晴らしき仲間たち」展
Vol.268
学習療法の起こり
身近な人々の幸せから 世界の人々の幸せへ
Vol.267
KUMON60周年スペシャルコンテンツ(1)
片平秀貴さん
ブランド研究の専門家、片平秀貴氏に聞く! 世界に通用するブランドの共通点とは?
Vol.266
千葉県白井市で楽しく認知症予防
市民主体だからこそ生まれる効果
スペシャルインタビュー
Academic Milestones 学びを究める力
NEW
Vol.049 後編
広島大学 教育開発国際協力研究センター長
吉田 和浩先生
日本は「教育」で世界に貢献できる 持続可能で平和な社会を築くことが 「教育の国際協力」のゴール
Vol.049 前編
広島大学 教育開発国際協力研究センター長
吉田 和浩先生
日本は「教育」で世界に貢献できる 持続可能で平和な社会を築くことが 「教育の国際協力」のゴール
Vol.048
書写書道教育研究者 宮澤正明先生
人をおもんばかる気持ちを育む 書写の学習効果
Vol.047
英語教育学者 町田 智久先生
英語は新しい文化を 教えてくれる「扉」 楽しみながら学んでいこう
KUMON now! フェイスブックページ
KUMON now!に「いいね」して、子育てに役立つ情報を受け取ろう!

What’s
KUMON?

これまでも。これからも。
KUMONはずっと
「学ぶ集団」であり続けます。

KUMONは、50の国と地域に、 「学び」を提供しています。

乳幼児から高齢者まで。
生涯を通じて学ぶ喜びをお届けします。

Baby Kumon / 書籍・知育玩具 / 学校・施設・企業への導入 /
認知症の予防と維持・改善 / 書写 /
日本語/ フランス語/ ドイツ語

公文教育研究会
代表取締役社長
池上 秀徳

指導者も社員も
「子どもから学ぶ」。
KUMONはいつも
学び続ける集団です。

私たちが大切にしている、創始者の
ことばがあります。

学ぶ力は、やがて生きる力へ。
KUMONは一組の親子の
絆から生まれました。

KUMONは、公文式学習を通して、
「生きる道を自らの力で切り拓いて
いける健全で有能な人材」の育成を
目指しています。

公文式教材のひみつを
わかりやすくご紹介。

公文式になくてはならない
指導者の役割とは。

私たちには「夢」があります。教育を通じて世界平和に貢献することです。

時を越えて。国境を越えて。
すべては、一人ひとりのために。

日本の子どもたちから
世界中の人たちへ。

    • KUMONグループ会社一覧
    • さまざまな場で「個人別・
      ちょうどの学習」を実践。
      世界各地に広がっています。
    • お問い合わせ・資料請求
      KUMONへのご意見、ご質問などを
      お寄せください。
    • お問い合わせ
    • ロゴに込められた想い
    • この、KUMONのロゴ。どこかで見かけたことありませんか?
      このロゴには私たちの想いがたくさんつまっています。