
一つ、行書で手紙を書けるようになる。二つ、草書を読めるようになる。三つ、自筆の扇子を作る。これが、8年前書写を始めるにあたり私が立てた三つの目標です。
もともと私は学生の頃から古典文学や万葉仮名に興味があり、こうした書の分野にも関心がありました。できることなら「友人に手紙を書きたい」と封筒や便箋を買い揃えたこともありますが、なにせ当時から文字を書くことが苦手で、授業を板書したノートは人に見せるのが恥ずかしいくらい。大人になるにつれ、ますます苦手意識が強まってきました。
※書写歴は、取材時における年数です。
書写歴7年
Iさん(30代)
一つ、行書で手紙を書けるようになる。二つ、草書を読めるようになる。三つ、自筆の扇子を作る。これが、8年前書写を始めるにあたり私が立てた三つの目標です。
もともと私は学生の頃から古典文学や万葉仮名に興味があり、こうした書の分野にも関心がありました。できることなら「友人に手紙を書きたい」と封筒や便箋を買い揃えたこともありますが、なにせ当時から文字を書くことが苦手で、授業を板書したノートは人に見せるのが恥ずかしいくらい。大人になるにつれ、ますます苦手意識が強まってきました。
しかし、書写教室に通い始めたことを機に旧友と手紙を交わすようになりました。字が上達したことで自信がつき、手紙を送ってみたところやりとりが始まり、もうかれこれ8年くらいになるでしょうか。男同士の場合、女性のように長電話をしたりメールで頻繁にやりとりしたりすることが少ないので、今は一年に一度、お互いの近況を知らせるこの手紙が旧友との間を繋いでくれているような気がします。
書くときは、公文書写の先生からいただいた手紙を参考にしています。先生は筆まめな方で、折に触れて私たち生徒にもお便りをくださるので、その点もいいお手本にさせてもらっています。
最近は行書を習ったので、手紙の文字も少し崩して書けるようになりました。また草書も少しずつ読めるようになったし、扇子ではないけれど毛筆で一筆書きしたカレンダーも作りました。スタート時の目標を半分くらいクリアできたというところ。
できなかったことが一つひとつできるようになるというのは、大人になってもうれしいものですね。
今後は、まずこの三つを達成することが目標。そして、たんに「行書が書ける」だけでなく「美しく書ける」ところまで上達したいと思っています。