施設・学校向け公文式導入事業
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児童発達支援・放課後等デイサービスでの公文式

ビリーブ

一人ひとりの力に合った教材があるから
「やればできる」の自信となる

社会福祉法人フラットが運営する放課後等デイサービス「ビリーブ」(千葉県白井市)は、 小学1年生から高校 3年生までの障害のある利用者に対し、学校や家庭とは異なる時間、空間、人、体験等を通じて、個々の状況に応じた発達支援を提供する施設です。 この施設を開所した背景や公文式を導入した理由、公文式学習での利用者の変化などを、法人理事長と「ビリーブ」で公文式学習に関わる方々にうかがいました。

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どんな障害があっても
「あたりまえ」という幸せを

「障害があってもなくても、多様な経験から自己選択をできる社会」、すなわち「フラットな社会」の実現を目指して誕生した社会福祉法人フラット。 「あたりまえを、あたりまえに」をキーワードにフラットな社会の実現を目指し、現在 21 の事業を展開しています。

はじめに、林理事長に法人設立の思いを聞きました。
「大学で福祉を学んだ私は、卒業後、多くの人々の人生を豊かにしたいという希望をもって障害者福祉の世界に入りました。 しかしそこで、自分が支えようとしている障害者の人生と自分が過ごしてきた人生との、あまりの違いに衝撃を受けたのです。 自分がこれからの人生をかけてやりたい福祉とは、障害者の変わらない毎日を固定化してしまうようなものでよいのだろうか。 そんな問題意識がその後の活動の根底にあります」。

(左から)林晃弘理事長、公文式学習担当の及川苑華さん、久保直哉施設長

(左から)林晃弘理事長、公文式学習担当
の及川苑華さん、久保直哉施設長

「私たちは『型で決まったサービス』ではなく、既成概念や前例にとらわれず、『どんな障害があってもあたりまえの生活を実現する』ことを目指しています。 私たちの言う『あたりまえ』とは、多様な経験から自己選択ができるということです。 人は『働く場(学ぶ場)』『家』『社会』という3つの場のどこにおいても『幸せ』を感じる必要があると考えています。 そのためにも、経験の幅を広げる中で、やりたいことに出会い、人生の選択肢が広がり、その中でやりたいことを選んでいく、 そんな『やってみたいに溢れる日常』を実現するべく、私たちは目の前の利用者さんに向き合っています」。

子どもの可能性を信じるとは

放課後等デイサービス「ビリーブ」は設立した当初から「健全な発育は健全な遊びから」「一生忘れない思い出を作る」というポリシーで療育を行っています。 遊びを通して楽しみながら発達を促し、人生を豊かにする経験をできるだけ多く積ませてあげたいと、専門的な療育の視点も入れながら子どもたちに関わっていました。 しかし、小学校での友だちとのコミュニケーションがうまくいかないことや、特定の教科の学習がうまくできないことから学校に通いづらくなる子どももいたそうで、 「我々にできることは何だろうかと考えました」と林理事長は当時を振り返ります。

そんな折、もともと施設同士のつながりがあった放課後等デイサービス「チャコ千葉教室」を見学した際、 着席して楽しく公文式に取り組む利用者の姿を偶然目にし、「自分のできることに取り組むことが大切」と共感。 そして「ビリーブ」は2017年4月に公文式学習を導入しました。

「導入後は公文教育研究会の担当者から教材の構成や指導法について、具体的な事例を通じて教えていただきました。 教材はよく考えて作られていますし、公文の担当者の観察や指導の細やかさは本当に勉強になりました。 公文式の導入により、職員の利用者を見る目や仕事の精度がアップしたことで、利用者一人ひとりが『やればできる』ことを実感できるようになり、 自己肯定感が高まることにつながったと思います。勉強嫌いをきっかけに不登校となっていた子が、 公文式学習によって『勉強がもう1回好きになった』と登校するようになった事例もあります」。 「以前から職員たちには『子どもの可能性を信じよう』と言っていたのですが、公文式によって大きく変わった子どもたちを見て、 『私たちは本当に子どもの可能性を信じていたのだろうか』と振り返る機会になりました」。

「やればできる」の積み重ね

次に公文式学習を担当するビリーブ職員の及川さんに公文式学習の効果について聞きました。
「私自身、小学生の頃に公文式教室に通っていました。そのときの経験から、正直なところ『障害のある子も公文式学習ができるの?』と思っていましたが、 実際に『くもん、楽しい!』と積極的に取り組む子どもたちを見て『すごいな!』と思いました。最初はじっと座ることが難しかった子も、 時間をかけて粘り強く公文式学習に取り組む中で、公文はもちろん、療育活動全体でも『集中して取り組むこと』や『ものの数をかぞえること』などできることが増えました」。

「ビリーブには障害の重い子も多くいます。そしてその日のコンディションは一人ひとり違います。 だからこそ、一人ひとりに応じて関わり方を工夫し、寄り添いながら、できるだけ自分で取り組むことができるように導きます。 送迎に来られた保護者に、実際に学習をしたプリントをお見せしながらお子さんができたことを伝えると、 『これは本当にうちの子がやったのですか』『こんなにたくさんのプリントに取り組めるようになったのですね』と驚かれます」。

久保施設長も「公文式学習を通じて『やればできる』という経験を積み重ねることは、将来の成長につながると確信しています。 社会に出るときに選択肢を多くもち、『自分にもできるかも』と思って仕事を選んでほしいのです」と利用者への思いを話します。
「ビリーブの利用者の約1割は重度心身障害で、体を動かすことやコミュニケーションを取ることも難しい状態です。 また7割以上の利用者は、強度行動障害の子を含め、個別サポートが必要です。 そんな重度の障害がある利用者でも、一人ひとりの『ちょうど』を見つけて取り組むことができるこの学習法を、 多くの事業所さんに取り入れていただき、お互いに情報交換できるといいなと思います」。

豊かな人生にチャレンジを

「ビリーブ」の子どもたちにどんな力を身につけてほしいか、再び及川さんに聞きました。
「何事にも前向きにチャレンジする力を身につけてほしいです。障害の重さにかかわらず、スモールステップの教材に取り組む中で、その子のできることは着実に増えていきます。 『やればできる』の経験を積み重ねて、自信をもってさまざまなことに取り組める人になってほしいです」。

社会福祉法人フラットでは「ビリーブ」に続き、児童発達支援「フラヴィキッズ」でも公文式を導入しています。 その効果について理事長は、「早期からの療育の必要性と効果を改めて実感しています。 未就学の時期から一つのことに落ち着いて取り組む習慣を身につけた子どもたちは問題行動を起こすことが少ないなど、生活面や情緒面でもよい変化があるようです」と言います。

そして「幼少期から成人するまで継続できることは『学ぶ』こと以外にはあまりないように思います。 公文式学習を通じて、子どもたちは目の前の課題を乗り越えることを習慣的に行う力を身につけます。 社会に出たときに直面するさまざまな課題に対し、子どもたちには『あれだけがんばってできたのだから、これもできるはず!』 という自信をもって挑むことができる人間になってほしいのです。 この学習法が障害のある人々にもっと広がるといいなと思います」と、公文式学習への効果と期待を話してくれました。

「ビリーブ」の利用者一人ひとりがさまざまなことにチャレンジし、豊かな人生を過ごすことができるよう、 私たちは公文式学習の導入を通じ、これからも「ビリーブ」の活動に貢献してまいります。

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