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公文式教育を貫くもの

公文式の創始者である故・公文 公が残した言葉を紹介しながら、
公文式が目指す教育について、あらためて考えていきたいと思います。

第7回 学習習慣

公文式教育を貫くもの

「馬を水のある所につれて行くことはできても、水を飲ますのは難しい」と言われていますが、子どもを机の前につれて行きさえすれば、子どもは楽しんでこの勉強(公文式の学習)をします。また「勉強の強という字は“しいる”ということで少々苦しくてもそれに打ち勝たねばならない」と言う教育者があります。私にとっては笑止千万です。この教材なら子どもが楽しんでやり、強いられることなく確かな学力がつくからです。

公文 公

第6回で公文式学習の基盤になっている方法は、徹底して一人ひとりの子どもに「ちょうど」の学習内容を与えていくということであると述べました。多くの場合、年齢や学年を意識するあまり、その子の能力を越えたことを与えてしまいがちなので、結果的に“強いる”ことになってしまうのです。逆に、あまりにも低すぎてらくにできるところを与え続けていると、最初はよろこんでいてもやがて子どもは退屈に感じて意欲を失い、長続きしない場合が多いのです。

子どもの将来を考えると、学習習慣と学力では、まず学習習慣を先につけることを考えるべきでしょう。学習習慣をつけるには、最初は“勉強”と考えないで、机の上で子どもがやりたくなるものを、短い時間でいいから毎日少しずつ続けさせていくことです。そして、集中力がついてくるにつれて、その子どもの能力のちょうどを見極めながら学習量をふやしていきます。かなりやさしい内容からスタートし、短時間に集中する練習をくり返しながら徐々にその時間を長くし、学習内容のちょうどを高めていくという公文式の特長は、子どもに長続きさせ、学習習慣をつけていくためのものです。

子どものやる気をじょうずに「むりなく」「むだなく」「むらなく」学習習慣にむすびつけるため、公文式では次のようにしています。

『むりなく続ける』・・・子どもが少し勉強をやる気になったとよろこんで今がチャンスとばかりにたくさんさせようとすると、子どものやる気はすぐに消えてしまいます。子どもにとってちょうどの学習量とは腹八分目の「もう少しやりたい」というくらいにとどめます。

『むだなく続ける』・・・公文式の教材は、自分がどれだけ進んだかがはっきりわかり、先の目標と学習の見通しが立てやすい構成になっています。そのためにやればやるほど、自分の力でどんどん先に進めるので子どもは楽しいのです。

『むらなく続ける』・・・ある日は集中してたくさんやるが、ある日はやらないというような状態では効率がよくないだけでなく、長続きしません。毎日20分ずつでもコンスタントに学習できるように計画を立て、おおいに励ましながら学習の道筋を示し続けます。

「継続は力なり」と言いますが、継続しにくいものを与えて「続けなさい!」と言うのは酷です。常にちょうどを見極めながら、そのちょうどのレベルを上げていくことによって、学習習慣もつき、意欲も続き、ひいては学力も向上していくのです。