施設・学校向け公文式導入事業
学校で活用される公文式 学校で活用される公文式

学校での公文式

学校で活用される公文式

机に向かって集中し続ける力をいかに生み出すか
〜教室に静まりが生まれた〜

公文では、1962年から学校や施設に公文式学習を導入する事業を展開しています。 2016年10月現在、公文式を導入している学校・施設は200以上。 多くの学校や施設では「学習者の集中力が向上した」、「生徒が粘り強くなった」という声を聞きます。この変化はなぜ起こり、それはどのような意味を持つのでしょうか。 今回は、外部研究機関、自治体との共同研究を通じて明らかになったことをご紹介します。
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導入した学校の先生の声

今年度から公文式を導入した高校の先生は、「小中学校でなかなか学校に行けなかった子たちが多く通ってきています。 学力差の大きい本校において、一人ひとりの生徒の学力に合わせて個人別に教材を選べるのが公文式のよいところだと感じています」と語ります。 この高校では、現在1年生全員が、正規の授業として週2回公文式を学習しています。 公文式学習に取り組む中で、生徒たちは「集中力をつけている」「自己管理する力がついてきている」と先生方は評価されています。
学習のようす

公文式学習は「働く姿勢」にも通じる力を育てる

このような学校や施設の方々の声を多く受け、公文式導入の現場で何が起こっているのか?を明らかにする共同研究が2015年にスタートしました。

この共同研究では、ある自治体の協力を得て、公文式を導入して10年以上が経つ学校を「学習群」、 公文式やその他の民間教育を導入していない学校を「非学習群」として公文式学習法の効果測定をしました。 測定時に使用したのは、学力テストとして使われている学習習熟度テストと自分で考える力を測る PTS(Proficiency Test of Self-learning skills)という公文が開発したテストです。

測定の結果から、「集中力が向上した」「粘り強くなった」といった学習者に起きた変化は、作業できる量とスピードを表す「処理力」、 例題から法則を考える「類推力」、軌道修正できる「修正力」が向上したことで起きたということがわかりました。 調査結果の分析に関わった労働経済学がご専門の松繁寿和先生(大阪大学大学院国際公共政策研究科教授)によると、 これらはそれぞれ、経済学の観点でいうところの「ハード・ワーキング(熱心さ、仕事への情熱)」、「ロジカル・シンキング(論理性)」、 「コミットメント(課題遂行能力、粘り強さ)」にあたると言います。松繁教授は特に「類推力」について着目し、公文式と類推力の関係について次のように説明してくださいました

「問題や課題の構造を理解しないと、類推はできません。構造を理解するためには、一歩一歩自分の能力を高めていくことが重要です。 公文式は処理力の向上を目指した学習法だと思っていましたが、実際に研究をして『類推する力』や『我慢強く修正する力』も向上する学習法だということがわかりました」。

教育現場の先生方の想い「生徒たちには自己肯定感を高めてほしい」

公文式を導入して10年以上が経つ学校の先生は、「自己肯定感は他人から与えられるものではなく、何かを徹底的に訓練し、 そのことができるようになって初めて得られる自己評価。だからこそ、 生徒にはまず『できるもの』を与えることから始めなければならないということを公文式の導入を通じて学びました」とおっしゃいます。 また、「生徒が“わからない”と言った時、学校や家庭では“さらにわかりやすく”教えようとしてしまいがちですが、 それによって過保護・過干渉に陥りやすいものです。これに対して公文式は『自学』を提案しています。 ある先生が『教えられたことはすぐ忘れる。自分で発見しなさい』と生徒に声をかけていましたが、発見の過程において他人の介在はない方がよいのだと気づきました。 私たち指導する側は、自ら考えることのできる生徒の育成を目指していることを常に念頭に置いて、これからも生徒と関わっていきたいと思っています」とも語ってくださいました。

公文式を導入してくださっている学校や施設の方々には、「自分で問題を解けるという喜びを感じて自己肯定感を高め、 社会に出た時にいろいろなことにトライできるようになってもらいたい」という共通の想いがあります。 公文式がその一助として貢献できるよう、今後も学校や施設の方々と力を合わせて取り組んでいきます。

(2017年1月)

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