歴史ある広告賞「宣伝会議賞」
若手コピーライターの登竜門として、日本最大規模の公募広告賞として知られる「宣伝会議賞」。今回は第52回目となりますが、公文教育研究会ではこの賞に初めて企業として協賛、「世界そして世代に広がる、KUMONを表すキャッチフレーズ」を課題として、12,617件にのぼるキャッチフレーズの応募を集めました。
イメージは「世界への広がり」
全体では52万点を超える 応募がありました |
数ある応募のなかから協賛企業賞として選ばれた優秀作品が、現在早稲田大学の学生である、安蒜(あんびる)さつきさんのこちらのキャッチフレーズです。
「生まれた国もちがうけど、KUMONが同じ思い出だった。」
作品紹介のアナウンスで、 壇上に向かう安蒜さん |
KUMONが世界に広がっているイメージを感性豊かな言葉を集めて言い表したこちらのフレーズ。安蒜さんがどのような思いでこの作品を仕上げたのか、うかがってみました。
Q.このキャッチフレーズはどのように生み出されたのですか?
A.KUMONというブランドは、街中やテレビなど、生活の身近なところに存在している印象があったのが応募のきっかけです。
そして、今回の課題である「世界に広がる公文」ということで、私は3年前に米国ロサンゼルスに留学していたのですが、その移動中の車からふと外を見たときに、KUMONの看板を見かけました。目に飛び込んできたブルーの看板に、「あれ、ここ日本じゃないのに?」という不思議な感覚で、とても印象的な出来事でした。
また、大学の友人同士が、通っていた塾が同じだったという話題で盛り上がり、育った場所が違っても、同じことを学んだ共通体験で、心の距離がぐっと近くなるようすをよく見かけました。
こうした経験から、KUMONが世界にさらに広がれば、きっと世界中でこういう共通体験が結びついて、打ち解ける機会がきっともっと広がるはずだ、と思い至り、考えました。
Q.言葉選びにも苦労されたようですね。
A.小さい頃から詩歌が好きで、言葉には人一倍センシティブでした。大学では短歌サークルに所属していたこともあって、一文字一文字に対するこだわりも強い方だと思います。
たとえば今回のキャッチフレーズでは、「生まれた国も~」と並列の助詞である「も」を使っていますが、もしここに「は」を使ったとしても、文章としては成立すると思います。
ただ、生まれた国だけでなく、言葉も文化も教育も、世界の国々で違うことはたくさんあります。「は」だけでは表現できないふくらみを持たせるために、「も」をあえて使いました。
Q.「思い出」がキーワードだとうかがいました。
A.私は大学で教育学を学んでいますが、教育というのはとても時間がかかるものであることを改めて知りました。その時間を表現するために、「思い出」という言葉を使って、積み重ねた日々を表現することができるのでは、と考えました。
教育は子どもたちの20年後30年後の未来のためにあるものだと思いますが、KUMONという日本発のしくみが、世界から求められて徐々に広がっているということにとても驚きました。
KUMONがどのようなイメージで世の中に受け入れられているのか。「世界そして世代に広がる、KUMONを表すキャッチフレーズ」の課題を通じて、客観的な視点に数多くふれることができて、改めてたくさんの気づきが得られる機会となりました。
関連リンク第52回 宣伝会議賞