OB・OGインタビュー
Catch the Dream - 夢をかなえる力

2022/02/25更新

Vol.086

ライゾマティクス 主宰
真鍋 大度さん  後編

子ども時代の「好き」を大切に
専門家にはなれなくても
そこに近い未来が開ける

真鍋 大度 (まなべ だいと)

東京理科大学理学部数学科卒業後、大手電機メーカーにSEとして入社。1年間勤務したのち、友人が勤めるウェブコンテンツ制作会社へ転職するも半年で退社し、岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)に入学、プログラミングを用いた表現を学ぶ。複数の仕事を経験後、2003年にアーティスト・ユニット「ライゾマティクス」を立ち上げ、2006年に株式会社化。2020年にアブストラクトエンジンに社名変更。研究開発要素の強い実験的なプロジェクトを中心に扱う部門を石橋素氏と率い、プログラミングとアート、アナログとデジタルを融合させた高度な技術力と表現力によって、五輪など世界的なイベントの演出やオペレーションを担う。

アーティスト、インタラクションデザイナー、プログラマー、DJ…多彩な顔をもつ真鍋大度さん。Perfumeのライブの演出サポートなどエンターテインメントのほか、スポーツイベント、美術館、広告などさまざまなシーンで作品を提供、見る人たちに新鮮な驚きと感動を与えています。小学校入学前から数字好きだったという真鍋さんは、公文式教室に通ったことで得意な算数・数学をさらに伸ばし、プログラミング技術も獲得。それを武器に仕事も一直線に…と思いきや、途中で悶々とする時期もあるなど、さまざまな経験をされています。世界的に活躍されている真鍋さんの、現在に至るまでの道のりをたどりながら、お仕事のやりがいや新しいことを生み出す秘訣などについてうかがいました。

「名刺代わりになる仕事」で自分発の仕事を増やす

真鍋 大度さん

大学卒業後は大手電機メーカーに就職しました。大学院に進んでこれ以上数学を続けたくないし、音楽では食べていけないし、ゲームクリエーターになりたいと思って受けたゲーム会社は全部落ちてしまうし…。それで内定をもらったうちの1社にシステムエンジニアとして就職しました。

不満はそれほどなく、防災システムなどを開発していていたのですが、そうした開発は試験期間が長く、どんどん開発をしたい私の性に合いませんでした。ネットバブルの時期だったこともあり、1年ほどで知人のITベンチャー企業に転職。仕事はおもしろく、儲かっていたのも束の間、業績はすぐ下がり、半年で退社することに。しばらく失業保険をもらい、音楽制作や塾の先生などをしていました。まもなく、プログラムを使った表現をきちんと学ぼうと、尊敬していた先生のいる岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)へ入学。これが1つの転機になりました。

同級生たちの製作に対するスタンスや生き様に、大きなカルチャーショックを受けたのです。例えば、「新しいコミュニケーションツールを発明しなさい」という課題に対し、私は叩く強さでフォントのサイズや色が変わるキーボードを作ろうとしていたのですが、ある人はGoogle Glass(グーグルグラス)のようなメガネタイプのウェアラブル端末を作ろうとしていたり、またある人は摂取している人だけが会話が出来るピルのアイディアを提案していて、発想のレベルが全然違うことにおおいに刺激を受けました。課題に対するリサーチの重要性も学びました。ここで、アイデアや発想を鍛えられたと思っています。

卒業後は、放浪の旅に出ようかというくらいアテがなかったのですが、それを聞きつけた人から東京芸術大学の仕事をいただきました。その縁で今一緒にライゾマティクスを主宰している石橋素氏と出会い、仕事の幅が広がりました。さらにその後、理科大のメンバーと再会して、現在の形に至っています。

今振り返ると、IAMASを卒業して間もないうちから、いい仕事に恵まれたと思います。例えば、私が初めて関わったダンス作品は、15都市をツアーするような評判の作品となりました。ただ、こうした仕事はすべて他人が企画したものです。私には自分の企画で表現したいという思いがありました。でもなかなか機会がなく、それで冒頭にお話しした顔筋肉センサーをYouTubeにアップしたというわけです。自分で考え自分で作り、自分で出演して、「自分の名刺代わりになればいいな」と。そこからは自分に直接仕事が来るようになり、自分で企画する作品も増えました。

それまでは表現者というよりも“職人”としての仕事がメインで、スキルが一番重要でした。職人仕事は好きなので今でもやることは多いですが、今は、自分で企画して資金調達も含め、プロジェクトを動かすことが仕事の中心になっています。

発想は「感性」ではなく「訓練」

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