えいごTOPICS Vol.02

英語を効果的に習得するポイントについて、敬愛大学の向後秀明先生にお話を伺いました。

■インプットする量が重要

コミュニケーションを行うためには、「相手の考えや思いを理解する(=インプットする)力」と「自分の考えや思いを相手に伝える(=アウトプットする)力」の両方が必要です。英語学習においては、“聞く” “読む”がインプット、“話す” “書く”がアウトプットにあたります。通常、アウトプットできるのはインプットしたことのほんの一部です。このため、生活の中で自然と英語がインプットされる環境にない日本では、意図的にインプットの量を確保することが重要になります。インプットが豊かになればなるほど、「アウトプット=発信できること」の量や質を高められるからです。

 

■英語学習は音から

英語学習の基礎となるのは音声です。小学校では、まずは聞いたり話したりして音声で慣れ親しんだ後に、その英語を読んだり書いたりする、という考え方で英語の授業が行われています。これは、公文式英語教材の考え方とも非常に近いと思います。お子さんが日頃からE-Pencilで音をたっぷりと聞いた後に、読む・書く学習を手順通りに行なっていれば、きっと小学校の授業でも余裕を持って英語を楽しむことができると思います。

 

■読むことは話すことに大いに関係がある

意味がわからない英語、音にできない英語を話すことはできません。意味を確かめながら英語を読むこと、また音読することは、英語を話せるようになるための大切な基礎になります。読むことを通して触れたたくさんの英語表現は、自分が話すときに使う表現を豊かにします。また、たくさんの情報や考えを取り入れることで、幅広く深い情報や考えをもとに自分の言葉で発信できるようになります。読んだ英語の量は、話すことの質、つまり内容に大きく関わってきます。

 

■少しずつでも継続することが大切

英語学習では、一度話せたことや書けたことでも、英語に触れない状態でいれば1ヶ月も経たないうちにそれが難しくなるということはよくあることです。「昨日は1時間学習したけど、今日はゼロ」という学習方法よりも、例えば毎日15分ずつといった学習のほうが、力の定着が期待できます。

将来仕事に就いた時、どのような英語の技能が必要とされるのかは、職種や場面・状況によって異なります。例えば、ホテルのフロントで仕事をする場合は、ほかの業種よりも英語を聞いたり話したりする力が必要になります。子どもたちには、将来どういった仕事に就いても対応できるよう、「聞く」「読む」「話す」「書く」の総合的な英語力を身につけ、自らの意思で将来の可能性を広げていってほしいと思います。

■向後 秀明(こうご ひであき)先生プロフィール

敬愛大学 英語教育開発センター長 国際学部国際学科 教授

◇千葉県公立高等学校で英語科の教諭、千葉県教育庁にて指導主事。◇2007年、英語教育界の最高栄誉賞とされるパーマー賞(一般財団法人 語学教育研究所)を受賞。
◇2010年度より文部科学省初等中等教育局教育課程課・国際教育課外国語教育推進室 教科調査官、国立教育政策研究所教育課程研究センター研究開発部 教育課程調査官を歴任。2017年4月より現職。