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プレスリリース

「学習療法シンポジウム2009」開催

2009年12月1日 (火)

学習療法 イベント

介護現場および介護予防事業における「読み・書き・計算」を通じた最先端の実践と取り組み
 くもん学習療法センター(代表取締役社長:大竹洋司)は、学習療法研究会と共催で、12月13日(日)に公文教育会館(大阪市)において「学習療法シンポジウム2009」を開催します。当シンポジウムは、年に1回、全国の学習療法導入施設の担当者及び脳の健康教室の関係者が集まり、介護・予防における最先端の実践と取り組みを学び合う場です。

 ※「学習療法シンポジウム2009」の開催概要は、下記をご参照ください。

 2001年9月に東北大学・川島隆太教授を中心とするグループとの共同研究の中で生まれた「学習療法」は、読み・書き・計算を通じて認知症高齢者の脳機能が改善されることを科学的に証明しました。現在、全国の高齢者介護施設で導入され(2009年9月、全国1,087会場で導入)、各施設で実践を重ねる中で、介護におけるコミュニケーションの重要性が明らかとなり、導入施設の方々と共に介護そのもののあり方を見直すまでに進化してきました。
 今回は、地域・法人を超えて介護施設の経営者・担当者約300名が集って互いの実践から学び合い、ネットワークを構築することによって、地域でよりよい介護が展開されることを目指してシンポジウムを開催いたします。
 今回のシンポジウムでは、白百合女子大学文学部・田島信元教授の基調講演に加えて、3つの高齢者介護施設の担当者が学習療法を活用した介護の先進的な取り組みを発表します。また、学習療法を利用して自治体が取り組む介護予防事業「脳の健康教室」についての発表もあります。
 *取材をご希望の方は、事前に03-3234-4401(担当:鈴木)までお問い合わせください。

 

■学習療法学習者の推移
 認知症の維持・改善を目的とした「くもん学習療法」は、2009年9月現在、全国1,087会場で導入され、学習者は1万1千人を超えています。また、認知症の予防を目的とした「くもん脳の健康教室」は、全国254事業所で実施され、学習者は約4,000人となっています。(下図参照)

 

 

 

■学習療法の効果
 学習療法の効果は、大きく2つ。
①学習者の認知症の維持・改善、予防
学習療法開始前後で、前頭葉機能検査(FAB)と認知機能検査(MMSE)の数値を比較すると、高い割合で維持・改善が見られます。
②施設のスタッフの変化を引き起こす
学習療法を導入しているある施設の施設長の「介護スタッフの意識や観察力、ケアの力がレベルアップしている」という言葉からも、その効果がうかがえます。

*この研究成果と実践が認められ、今年7月、東北大学・川島隆太教授とくもん学習療法センターは、科学技術の進展に寄与し、経済の発展、福祉の向上に貢献した技術に対して与えられる「井上春成賞」を受賞しました。 
【ご参考】

 井上春成賞

 

 

学習療法シンポジウム2009 in 大阪 開催要領

日時   2009年12月13日(日) 10:30~17:00
会場   公文教育会館 B1ホール(大阪市淀川区西中島5-6-6/新大阪駅から徒歩5分) 
対象   学習療法研究会会員、くもん学習療法導入施設・脳の健康教室導入団体の関係者、一般の方
主催   学習療法研究会・くもん学習療法センター

■当日プログラム概要
10:30~    学習療法シンポジウム
 
◆オリエンテーション  学習療法研究会事務局長・くもん学習療法センター社長 大竹洋司
◆基調講演学習療法におけるコミュニケーションの効果~効果を上げるコミュニケーションのとり方と関連について~
講師:白百合女子大学文学部教授・学習療法研究会理事 田島 信元先生

 田島教授は、2001年9月に始まった「共同研究プロジェクト」のメンバーで、学習療法の効果を心理学者の観点から分析。学習療法におけるコミュニケーションの位置づけや、運営方法を観察・検証し、科学データに基づいた学習療法の理論を提唱されました。当日は、特別養護老人ホーム・永寿園(福岡県)での研究をベースに、学習者と支援者相互のコミュニケーションの役割、関連性、効果をあげるためのコミュニケーションの考え方などをお話しいただきます。

《昼食休憩(昼食は各自)》
13:00~ ◆Session1:現場からの実践事例発表

〔事例発表1〕 

①医療法人 興世会 介護老人保健施設 石きり (大阪)
②合資会社 富川グロリアホーム 富川ヒカルホーム (北海道)

 施設で学習療法を実施する際の留意点、スタッフ体制の作り方、情報共有の仕方など施設運営に役立つ情報ならびに、実際の学習者の事例を紹介。

〔事例発表2〕 

③社会福祉法人 創和会 ケアセンター成瀬 (東京)
④奈良県明日香村 (奈良)
 地域への広がりや地域の方々との交流という観点から、学習療法・脳の健康教室の持つ可能性を探ります。
◆Session2:全体討論 (東北大学・川島隆太教授による進行で全体討論および最新の情報提供)
 川島教授が全体進行を担当し、参加者の皆さんとツーウェイコミュニケーションを図りながら、ご質問をお受けします。また、川島教授から最新の脳科学研究情報をお話いただきます。

17:00    終了

【主な登壇者プロフィール】
●川島隆太(東北大学加齢医学研究所教授、学習療法研究会会長)
 東北大学医学部卒業。同大学院医学研究科修了。スウェーデン王国カロリンスカ研究所客員研究員、東北大学助手、講師を経て、現在は東北大学加齢医学研究所教授。研究テーマは「脳機能イメージング」と「脳機能開発」。学習療法の提唱者であり、脳のどの部分にどのような機能があるのかを調べる「ブレインイメージング研究」の日本における第一人者。

●田島信元(白百合女子大学文学部教授、学習療法研究会理事)
 東京外国語大学外国語学部ロシア語学科卒、東京大学大学院教育学研究科修士課程修了(教育心理学専攻)。東京外国語大学外国語学部 教育心理学研究室 教授を経て現職。専門分野は、「生涯発達心理学」と「文化心理学」。学習療法研究会理事、日本発達心理学会常任理事、日本心理学諸学会連合常任理事、日本心理学会将来構想検討委員会 委員長。

■学習療法とは
 音読と計算を中心とする教材を用いた学習を、学習者と支援者がコミュニケーションをとりながらおこなうことにより、学習者の認知機能やコミュニケーション機能、身辺自立機能などの前頭前野機能の維持・改善をはかるものです。1998年より、東北大学・川島隆太教授を中心とする研究グループと、㈱公文公教育研究所が、公文式の学習効果を脳科学の立場から科学的に検証を始め、その研究の過程で生み出された新しい概念が、「学習療法」です。2004年、学習療法を正しく普及させるために学習療法研究会を発足し、くもん学習療法センターはその一翼を担っています。

【ご参考】
 くもん学習療法センター

■くもん学習療法センターのミッション
  くもん学習療法センターは、「認知症の予防・維持・改善」に対し、非薬物療法として効果の高い「学習療法」を正しく広げていき、ひとりひとりが生き生きとした生活を送れる、明るく健康な高齢化社会を築くことを目指します。

プレスリリースに関するお問い合わせ先
公文教育研究会 TEL 03-3234-4401

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