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Vol.193 2017.02.07

公文式教室の舞台裏-教室のコンサルティング編

先生一緒に導く
子どもたち「自学自習」の力
~地域に根ざした教室へ~

全国にある公文式教室。各都道府県に、その教室を支える事務局があります。事務局には、教室開設後3年目以降の公文の先生をサポートしている「コンサルティング職」の社員がいます。地域における公文式教室の将来像を描き、教室に通う一人ひとりの成長を願い、未来に向かって先生とともに歩む。そんな先生の「パートナー」であるコンサルティング職の仕事について、京都事務局・多田充宏に聞きました。

目次

地域に根ざした教室づくりをサポートする仕事
やりがいは「子どもたちの未来に携われること」

公文式教室の舞台裏 京都事務局 多田充宏
京都事務局

多田充宏

私たちコンサルティング職の役割は、地域にある公文式教室を「教材指導」、「運営」、「経営」といった観点からバックアップすることです。先生と一緒になって“どうすれば子どもたちがよりはやく高く力を伸ばしていくことができるか”を考えたり、スタッフの役割や配置、収支のバランスなど教室の運営についてより良い方法をご提案することもあります。公文の先生方は、教室開設後も教材や指導のことを学び続けてくださっていますが、講座や小集団での学び合いの機会など、先生方に「学びの場」を提供することもコンサルティング職の仕事の一つです。

コンサルティング職にとって重要なのは、「地域に根ざした教室づくり」を考えることだと思います。つまり、担当地域の特性を把握し、一人ひとりの子どもたちが必要としていることを、公文式を通じて提供していけるようにするのです。中学受験が盛んな地域、幼児からの入会が多い地域など、全国で地域の教育事情はさまざまです。私たちコンサルティング職は、街の様子や人々の意識、地域の状況をいろいろな角度から見たデータをもとに、先生方と指導方針などを話し合っています。

また、公文式は「学年を越えて」学んでいく学習法です。「学年を越えて学ぶ」とは、まだ学校で習っていない未知の内容を、人から教えてもらわずに自分で学んでいくこと。子どもたちは、これまでに身につけた力を使い、教材のヒントも参考にしながら自分自身で学習課題を把握して学んでいきます。そういった学習を通して、「自学自習力」が養われていくと私たちは考えています。学年を越えてからも自学自習でスムーズに学習ができるようにするためには、生徒の学年相当レベルまでの指導が大切になってきます。そういった観点から、教室を訪問して生徒が学ぶ様子を観察・記録し、先生と一緒に振り返り、教室での指導にいかしていただくという活動もしています。

そんなコンサルティング職の一番のやりがいは、「子どもたちの未来に携われること」。“将来はこういうふうになってもらいたい”と、たっぷりの愛情を子どもたちに注いでいる先生方と一緒になって教室を磨くお手伝いをする私たちも、子どもたちの未来に携わっていると思っています。

コンサルティング職の具体的なサポートとは?

先生とともに歩む「パートナー」として
教室を客観的に見ることができる立場だからできること

公文式教室の舞台裏 京都事務局 多田充宏

先生方が日々悩まれているのは、「どうすれば子どもたちの力を伸ばせるか」ということです。お話を伺う際、私自身はじっくりと話を聞くことに注力しています。なぜなら、先生方は既にその悩みに対する答えを持っているケースが多いからです。誰しも実際に感じていることを言葉に出すと、考えが整理できることはあると思います。ですから、私は先生のお話をお聞きして受け止め、「事実」を確認していくことを心がけています。「こうしたらどうですか」とアドバイスするよりも、「そのお子さんって、どんなタイプの子ですか?」「教材のどの辺で、進むスピードが落ちてしまったのでしょうか?」「どんなアプローチをされていましたか?」というふうにヒアリングしていくうちに、先生方も実際の状況はどうだったのか、それに対して自分はどう考えるのかが整理されて答えを見つけていかれます。

私たち社員は、毎回教室で子どもたちと向き合うわけではありません。だからこそ、先生方の強みや教室の現状、少し広い視野での地域事情などを客観的に見ることができます。毎日家庭で子どもと顔を合わせているお母さんはなかなか子どもの成長に気づきにくいけれど、週2回だけ教室で子どもの様子を見る公文の先生には子どもの成長が見える、というのに似ているかもしれません。また、社員は複数の教室を担当しているので、他の教室での指導事例を紹介できることもあります。そういった客観的な立場を活かして、先生方をサポートしたいと思っています。

それと同時に、私が一番心がけているのは「先生方に寄り添うこと」です。生徒さんとは出会いもあれば別れもありますし、子どもが伸びる喜びは格別である一方、そこに至るまでには悩むこともあります。先生は、そうした喜びも悩みもすべて自分一人で消化しなければなりません。ですから、私たち社員が先生方に寄り添うことは非常に重要だと考えています。そのために私は先生方とこまめにコンタクトを取り、お話をお聞きして、先生方の状況を知るようにしています。

嬉しかった教え子からの言葉とは?

自身の指導者経験が今の財産に
嬉しかった教え子からの言葉

公文式教室の舞台裏 京都事務局 多田充宏

教室を運営していた時の自分を振り返ると反省することも多いのですが、その経験がコンサルティング職をするにあたっては、非常に大きな財産となっています。当時は子どもたちの自学自習力の養成を目指して試行錯誤する日々でしたが、昨年嬉しいことがありました。当時の生徒の中の1人の子が、大学に合格した際にわざわざ連絡をしてきてくれたのです。「数学だけが好き」というところが子どもの時の自分に似ていたこともあって、私はその子にいろいろとアドバイスを送っていました。その子がその時にこう言ってくれたのです。

「先生があの時、『数学で将来の道を切り拓くことだってできるんだから、それを強みにしていけばいい』と言ってくれたおかげで、僕はがんばれました」

指導者の愛情というのは、しっかりと子どもたちに伝わるものなのだと思えた出来事でした。そして今、自分がコンサルティング職として先生方と一緒に子どもたちにとって一番良い方法を模索していく仕事に携われていることに誇りとやりがいを改めて感じることができました。

10年間コンサルティング職を務めてきて一番に思うのは、子どもたちへの愛情の深さこそ公文式指導者の強みだということです。私たち社員はその点は絶対にかないません。そんな先生方のよきパートナーとして、これからも一緒に子どもたちの力を伸ばす喜びを感じ、先生方ご自身の夢を実現していくお手伝いができればと思っています。

関連リンク 公文式教室の舞台裏-新任指導者のサポート編|KUMON now!

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