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Vol.025 2014.02.25

企業のなかのKUMON-ドコモ・プラスハーティ

“最終目標 障がいのある社員
自ら考えて行動する”を
めざして”
社員教育の一環として公文式を導入、日々の仕事の一部として毎日学習

"KUMONはお近くの教室はもちろん、学校導入や施設導入という形で、高校・大学・児童養護施設などでも教育サービスを提供しています。今回は、社員教育の一環として公文式を導入されている企業をご紹介します。

目次

※旧:ドコモ・サービス株式会社。記事内の社名等のデータは取材時(2014年1月)のものです。

作業をシステム化しクオリティを保証することで、清掃のプロをめざす

企業のなかのKUMON
清掃作業は「テキパキ」という表現がぴったり

東京・池袋に本社があるドコモ・サービス株式会社(以下「ドコモ・サービス社」)。NTTドコモグループの営業支援や代理店支援業務などが主な業務内容です。今回ご紹介するのは、本社・総務部ハーティ推進室で働く障がいのある社員の方たちです。

ハーティ推進室所属の障がいのある社員は、2012年10月入社の6人(1期生)と2013年7月入社の8人(2期生)の14人。知的障がい・ダウン症・自閉症など障がいのタイプはさまざまで、みなさん療育手帳を持っています。仕事の内容はドコモ・サービス社のビル内清掃。2班に分かれ、1期生は9時~16時で窓際と休憩室のテーブルやイス拭きを、2期生は7時半~14時半で床の掃除機がけをします。14人全員がグリーンのベストを着用し、チームワークよく、黙々と集中して仕事に取り組んでいます。仕事の様子からは「汚い・キツイ」というイメージはひとかけらも伝わってきません。

ハーティ推進室の岡本課長はこう話してくれます。「障がいがある人だから、清掃のレベルはこれくらいでよいという考えは、長い目で見たとき、本人にとってプラスなのだろうかと思うのです。このビル内の清掃は以前、外部の専門会社に委託していました。それを自社内で請け負うわけですから、清掃作業のクオリティは保証したいのです。そのために、清掃に使用する機器や洗剤類は扱いやすく、安全に配慮したものを用意し、手順も決めています。例えば、床用の掃除機は取り回しが良く、高性能なコードレスタイプを。テーブルを拭くときは絞り機を通したクロスを、拭きむらをなくすためのフレームに装着して使います。そのあと専用の計測器でテーブル面をチェックし、どのくらい清潔になったかを可視化しながら作業をしています。テーブル清掃に使用する洗剤は人体に安全なホスピタルグレードの除菌ができるものを使用することで、単なる清掃を超えて職場の衛生管理にも一役買っています。こうして清掃作業をシステム化すれば一定以上のクオリティが保て、本人たちも誇りをもって仕事に臨めます。この積み重ねで14人全員が清掃のプロになることをめざしたいのです」。

学習をサポートする側の社員も成長している

企業のなかのKUMON
音読しながら教材を学習するが、みな集中して鉛筆を走らせている

きびきびした動きでの清掃作業が一段落すると、和気あいあいのランチタイム。そして、毎日12:55~14:20(途中休憩10分)が公文式算数と国語の時間。仕事の一部として学習が設定されています。学習に対して、あるいは「算数」「国語」という言葉に苦手意識がある人もいるので、ここでは「頭の体操」と言っています。開始時刻5分前には、学習室に14人がきちんと着席、「やるぞ!」という気持ちが空気からも伝わってきます。「きょうも100点をとるぞ」「公文をがんばろう」という声も聞こえてきます。

「これから頭の体操をはじめます」という14人の元気なあいさつで学習がスタート。算数は九九の音読(九九のカードで)とプリント教材、国語は『徒然草』の音読(読みやすいようにカード化したもので)とプリント教材を、それぞれ約30分ずつ学習します。プリント教材も「にたすいちはさん」と音読しながら学習するため、仕事中とは一変し、学習時間中は部屋中に元気な声があふれています。けれども、私語や雑談はいっさいありません。

採点はハーティ推進室に所属する社員の方2名が、学習中の質問には別の社員の方2~3名で対応します。「“そこまで学習をサポートするのですか?”と驚かれる外部の方もいらっしゃるようですが、公文式は学力をつける以上の目的(後述)で導入していますし、こうして学習をサポートしているあいだに、われわれ自身も成長していることに気づきました。障がいのある社員一人ひとりがよく見えるようになったのです。どう認め、どうほめたら、もっとやる気が出るのか。ほめるための、いいところはないか。この問題はどうヒントを出したらいいのか。公文の学習を通して、日々そういったことを考えるうちに、それらがそのまま清掃の仕事での指示やサポートに活かされてきます。もちろん、コミュニケーションはとてもよくなりました」と岡本課長はふり返ります。

「まだまだ、いろいろなことができるんだというところを見せてほしい」

企業のなかのKUMON 岡本課長
総務部ハーティ推進室 岡本課長
企業のなかのKUMON 企業のなかのKUMON
ハーティ推進室 海宝さん(主査)

ドコモ・サービス社が公文式を導入したのは2013年10月。導入までには、いくつかの出会いがありました。ハーティ推進室の岡本課長が「障がい者の働く力を引き出すセミナー」でKUMONと出会い、公文式に興味をもってくださったこと。そして、公文式学習を支援プログラムの中心に据えた就労移行支援事業所「就職するなら明朗アカデミー(千葉県成田市)」を岡本課長が見学、同事業所の小澤学長と出会いました。

※「就職するなら明朗アカデミー」は、トピックスVol. 007でご紹介しています。関連リンクからどうぞ。

「明朗アカデミーを見学し、すぐに導入しようと決めたのですが、稟議書を書いて決裁がおりるまでは正直ドキドキでした。結果、反対意見はなく、ぜひ導入すべきという意見も役員から出て、KUMONのみなさんのサポートもいただき、昨年秋から学習がスタートしました。日々学習を積み重ねていくことで、学力はもとより、集中力やコミュニケーション力なども含め、1年後2年後には計り知れない効果がでてくるのではないかという期待もあります」(岡本課長)。

導入して約5ヶ月。ハーティ推進室のメンバーは興味深いことに気づいたといいます。同室の海宝さん(主査)のコメントです。「清掃作業の仕事への取り組み方と公文式学習での態度や姿勢が不思議にリンクするんですね。仕事でケアレスミスが多い人は、公文でも同じ。公文の音読で大きい声がでるようになると、仕事でも大きな声がでるようになるんです。ということは、公文でケアレスミスがなくなれば、仕事でもケアレスミスがなくなるのでは…。学習が仕事に良い影響をおよぼすのではないか、と期待しています」

再び岡本課長です。「公文の理念を見たとき、心に響きました。“個々の人間に与えられている可能性を発見し その能力を最大限に伸ばす”という一節です。この会社の社員となったからには、能力を最大限に発揮してほしい、まだまだ、いろいろなことができるんだというところを見せてほしいのです。そのための、障がいに配慮した清掃作業のシステム化であり、それを後押しする公文式だと思っていますから。このシステム化された仕事と学習の組み合わせは、障がいのある人たちが社会の一員として生き生きと働くための方策として、今考えられる最強のものだと思っています。そして将来的には、障がいのある社員みんなが、自ら考えて行動できるまでに成長してほしいですね」

関連リンク
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「学習」を柱として一人ひとりの成長を目指して、
公文式の学習が活用されています。
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