スペシャルインタビュー
Academic Milestones - 学びを究める力

2014/08/22更新

Vol.012 教育心理学者 吉田甫先生  前編

新しい知識を得るのは
にとって本能的楽しいこと

吉田 甫 (よしだ はじめ)
九州大学大学院教育学研究科(教育心理学)博士課程修了。大学(学部)卒業後、家庭裁判所調査官補として任官。その後、大学院に進み心理学研究の道へ。宮崎大学教育学部教授を経て、現在は立命館大学特任教授。

「勉強がきらい」あるいは「苦手」という子は、なぜ「きらい」になってしまうのか――教育心理学者の吉田先生は、子どもの側に立って教えれば、勉強ぎらいの子は減るといいます。家庭裁判所調査官から心理学研究の道へ。異色の経歴の心理学者でもある吉田先生に、学びの楽しさやその本質についてうかがってみました。

子どもが「勉強がむずかしい」と思うのはなぜ?

私は教育心理学が専門ですが、いま特に関心を寄せていることが3つあります。1つは、学びに困難をかかえる子をどう支援すればよいかということ。なぜ子どもが理解できないのか、それを問うと、学校など教育現場の教師は「その問題がむずかしいから」と言います。たしかにそうなのですが、では、「なぜその子にとってむずかしいのか」。こう問うと、答えられないことが多いのです。つまり、「なぜむずかしいのか」の理由がわからずに授業をしていることになります。私はその原因をはっきりさせれば、学ぶことが楽しいと感じる子がもっと増えると考えています(後編で紹介)。

2つめは、学習活動による高齢者の認知機能の維持と改善の研究です。人間の発達からすると、高齢になると認知機能は低下する一方とされていますが、われわれの研究では、音読や算数などの学習課題を毎日すると、認知機能は維持されるどころか、むしろ改善するとの結果が出ました。このことから「脳の機能は環境によって変化するのではないか」と考え、検証しているところです。

3つめは、発達障害の子どもたちへの支援です。特に自閉症の子は、諸説ありますが、脳機能の発達不全だと言われています。とすれば、脳機能を改善すれば、自閉症特有の問題行動は少なくなり、社会に適応できるようになるかもしれないと考えています。これは学部生の卒業論文として指導しながら研究を続けていますが、1~2ヵ月関わりを続けるだけでも、脳機能などが改善するという驚くべき結果がでています。ただし、現状では対象となる子どもたちの数が少ないので、もっと研究を進めていく必要性を感じています。

中学3年の夏、英語がほとんどわからないことに焦った吉田先生がしたこととは?

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