スペシャルインタビュー
Academic Milestones - 学びを究める力

2013/09/27更新

Vol.001 発達心理学者 藤永保先生  後編

人間は学び続ける存在
「自分が向上した」という
自覚がもてる学びを

藤永保 (ふじなが たもつ)
1926年山口県生まれ。東京大学文学部心理学科卒業。
現在、お茶の水女子大学名誉教授、NPO法人保育:子育てアドバイザー協会理事長

人の心がどう変化・成長していくのかを解明する、発達心理学。その第一人者・藤永保先生に、発達心理学が今の世の中にどう生かされているか、またご自身の学びを究めてきた道のりについてうかがいました。

*藤永保先生は2016年1月21日にご逝去されました。故人のご功績を偲び、心からご冥福をお祈りいたします。

子どもの成長のカギはどこにあるのか、それを解明するのが発達心理学

大学院に入って心理学を学びなおすことにした私は、子どもの思考や認識がどう発達していくかを研究することにしました。たとえば、2歳くらいであれば、色の名前ははっきりわからないけれど、大人にとっては何でもない色の名前がどうして幼児には難しいのか、といった研究です。

当時、子どもは大人と違うのだから、色の名前がわからないのは当たり前、という考え方が支配的でした。しかし私は、もちろん子どもの発達には独自の特徴があるけれども、それは発達の過程でいろいろな条件に促されてしだいに変わっていくものだと考えたのです。

実は、私が心理学を学び始めたころは、「発達心理学」という分野はありませんでした。当時は、児童期や青年期というように年齢で区切り、発達というのは青年期までで終わり、それ以降は安定期になるという考えでした。

「人間はいくつになっても変化・成長し続けていくもの」との考えが出てきて、発達心理学という言葉がしきりに使われるようになったのは、ここ30~40年くらいのことでしょう。

「発達心理学」を英語で表すと、developmental psychologyです。西洋文化の中では「遺伝」や「素質」が子どものなかにあらかじめ固定されていて、加齢にともない表に出てくる過程がdevelopmentなのだと考えられていました。しかし日本や中国など東洋では、「子どもの成長は教育の力や文化によるものであり、能力や素質よりも努力が大事」という儒教主義の考え方が昔から強くありました。

西洋的な概念で遺伝や素質を強調しすぎるのも偏りですが、日本や中国でのように、「子どもがもっている能力や素質とは別に、頑張りさえすれば何とでもなる」という見方にも、これはこれで別の偏りがあります。

両方のバランスの上に正しい解決の処方があると思いますし、これらの考えをうまく重ね合わせることで、「子どもの成長のカギは本当はどこにあるのか」が、わかるのではないでしょうか。それを解明していこうというのが、発達心理学ともいえます。

子どもにとっていちばん重要な発達環境とは?

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