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Vol.038 2016.11.11

スイーツジャーナリスト 平岩 理緒さん

<後編>

コツコツを積み重ねれば
必ず自分の力になり結果を生み出す
があればやがてひとつの道でつながる

スイーツジャーナリスト 平岩 理緒さん

平岩 理緒 (ひらいわ りお)

東京都出身。大学院卒業後、マーケティング会社に入社、食品メーカーなどのプロモーションやリサーチを担当。2002年にテレビ東京『TVチャンピオン』デパ地下選手権で優勝。2006年からはフリーのスイーツジャーナリストに転身、また東京製菓専門学校で洋菓子を専門的に学ぶ。書籍からテレビまで幅広い媒体でスイーツの魅力を紹介するほか、パティシエと食材の生産者の橋渡し役など、コーディネーターとしての活動も積極的に行っている。小学生のころ6年間、公文でおもに算数を学習。

書籍からウェブ、テレビまで、幅広い媒体でスイーツの魅力を紹介している“スイーツジャーナリスト”の平岩理緒さん。1か月に食するスイーツはなんと200食あまりとあって、甘党の羨望の的ですが、実際には実体験に基づく広範な知識と地道な努力を要する仕事だといいます。もともとは教師を目指していたという彼女に、現在の仕事に至るまでの紆余曲折と信念、夢、そして子どもたちへのメッセージを語っていただきました。

目次

より専門的な知識を得るために製菓学校に入学

平岩理緒さん

テレビ出演がきっかけでスイーツについてのコメントを求められる機会が増えるなかで、自分のベースとなる知識・体験がもっとほしいと思い、会社を辞めて、2年間製菓学校に通いました。生徒はほぼ全員パティシエ志望という中で、そうでない私は異色の存在でした。私は情報発信のためにスイーツのことを作り手の視点からもより深く知りたいという探求心があったので、製菓学校に入学を決めた時点から、パティシエになるつもりはなかったのです。

その後の独り立ちは綿密な計画があったわけではありませんが、いただいたお仕事は自分ができる最大限のことをやり遂げていく。そのなかで、結果的に「平岩さんにお願いしてよかった」と言っていただけるようになり、次の仕事につながっていく。そのくり返しで仕事が広がっていきました。

好奇心を原動力に、勉強会などさまざまな機会に足を運んでいたのもよかったと思います。スイーツや食品とは一見関係のない業界の方でも、そこで出会った方々としばらくしてから思いがけずお仕事をするようになる、ということもありました。ご縁はこういう機会からも広がっていったと思います。

平岩さんが仕事で心がけていることとは?

スイーツの作り手と召し上がる方の思いをつなげる

平岩理緒さん

フリーランスになって痛感していることのひとつに、“自分の代わりはいない”ということがあります。会社員時代はチームで動いていて、万一自分に何かあっても誰かが引き継いでくれるという体制がありましたが、フリーだと当然ながら一人で、自分の代わりがいない。仕事の依頼元の方々にご迷惑をおかけしてはいけないので、そうならないよう体調に気をつけていますし、こまめに先方に進捗状況をお伝えすることで信頼いただくようにしています。

とはいえ、どんなに注意してもトラブルが起きてしまうことはあります。そういう時には、その時にできる最大限のフォローをして立て直せるようにすることを心がけています。これは会社員時代に学んだことの一つでもありますね。とにかく正直に、迅速に。あとは地道にコツコツと、仕事はもちろん、日頃からの情報収集やコミュニケーションを心がけています。このことは公文で培ったことと通じるかもしれませんね。自分は自分なので、人に左右されずに自分のペースで歩んでいく。コツコツを積み重ねれば必ず結果が出ると思っています。

教員志望だった私がスイーツジャーナリストに、というのは大きな方向転換に聞こえるかもしれませんが、じつは私にとって両者はそう遠くない職業です。どちらも「人に何かを伝えたい」という点で共通しているのです。私が憧れた小学校時代の担任の先生は、戦争体験がおありで「歴史を学ぶ意味は、過去から学んで同じ過ちをくり返さないことにある」とおっしゃっていました。この先生に影響を受け、私も歴史の本質を伝えたいと思って教員を志しましたが、今のスイーツジャーナリストの仕事も「作り手の思いを、召し上がる方に伝えたい」というところに軸があります。私の仕事を媒介として人と人の心が通い合う、それが実感できることは、私にとって大きなモチベーションとなっているのです。

子どもたちへのメッセージ、そして平岩さんの夢とは?

夢や憧れを持って、どうしたらそこに近づけるかを考え行動する

平岩理緒さん

今の子どもたちに対しては、“夢を持つことは素晴らしいよ”と伝えたいです。たとえ今思い描いている夢が、将来違う方向に変わったとしても、です。何かに憧れたら、自分なりにそれを実現するにはどうしたら近づけるかを考えて、それに向かって具体的な行動をしてがんばるといいですよ。実際にはその仕事に就くことができなかったとしても、必ず自分の力になっているはずです。

私も小学生の頃、当時憧れていた童話作家を目指して、自由研究ノートに自作の物語を書いて提出していて、先生が書いてくれる感想が楽しみでした。やりなさいと言われてやっていたことではなかったので楽しかったですし、結局その積み重ねが文章力をつけさせてくれましたし、今の仕事につながっていると思います。

私自身の今後の夢は、「作り手の思いをもっともっと伝えていきたい」ということ。今、お菓子業界では若い世代を含め、多くの作り手ががんばっています。お菓子の作り手だけでなく、原材料である小麦粉や果物、乳製品などの生産者も、努力されています。彼らの活躍や試行錯誤をもっとご紹介していきたいですね。

また、「食」の分野では、最近ではバター不足や食の安全など、社会問題の絡むトピックスが増えてきています。私自身が、それらについても深い見識を持って伝えていけるようになりたいと思っています。そして私の発信した情報によって、皆さんが考え、行動するきっかけになれればと願っています。

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関連リンク幸せのケーキ共和国


平岩理緒さん 

前編のインタビューから

-スイーツジャーナリストの仕事とは?
-読書が大好きだった子ども時代
-平岩さんの人生のターニングポイントとは?

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