自立支援としてのKUMON

“なりたい自分になる”ためのサポート
学びを通しての自立支援そして人生を拓く支援へ

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確かな基礎学力としっかりした学ぶ姿勢が未来の自立につながる

施設サポート部では、児童養護施設や障害者・障害児関連施設などへの導入を担当しています。外部の方からは“公文式教室を建てたり、その部材を扱ったりしている部署ですか?”というご質問をいただくこともありますが、外部の施設への公文式学習の導入とその学習サポートをしています。

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担当している施設は大きく2つに分けられ、ひとつは児童養護施設をはじめとする児童福祉施設(※1)への導入です。児童養護施設に限っていえば、全国に現在600ほどある施設のうち約80の施設が公文式を導入してくださっています。その理由は、端的に申し上げれば“施設を巣立ったあとの自立”です。入所者は、高校3年の3月をすぎると施設を出なければならないのですが、そのときに基礎学力や学ぶ姿勢がしっかり身についていれば、就職でも進学でも、自分が望む道に進める可能性が高くなります。公文式の創始者・公文 公(くもん とおる)は1960年代の会社創業期に、手弁当で当時の孤児院(現在の児童養護施設に相当)で学習支援をしていたのですが、いま、公文式を導入してくださっている施設のみなさんの想いとまったく同じだったのでしょう。

施設サポート部 部長 石井勝志

もうひとつは、障害がある方たちが利用される就労移行支援施設(または事業所)(※2)での導入です。こちらはまだ歴史が浅く、2011年にスタートしました。千葉県成田市にある“就職するなら明朗アカデミー”という支援施設で、支援プログラムのメインとして公文式学習を導入してくださったのです。導入の理由は、読み書き・計算の力が仕事をするうえで役に立つことはもちろん、学習によってできることが増え、それが“喜び”となり、集中する・継続する・思考するといった力になり、さまざまな仕事をしていくベースになるということでした。そして、実際に学習が始まると、そういったことだけでなく自己肯定感が育つこともわかりました。導入して数ヵ月もしないうちに明朗アカデミーさんの就労実績が高まったことにも驚きましたが、就労支援でも公文がお役に立てることがわかり、とても嬉しかったですね。その後、この施設を見学された他の施設の方たちの口コミで導入が少しずつ広がり、現在は全国で30ほどの支援施設(関連施設含む)で導入していただいています

児童養護施設での学習風景(山口)

また、まだ数は少ないですが、10年以上前からリハビリ病院や少年院でも導入しているところがあります。リハビリを主な治療とした病院では、高次脳機能障害(※3)の患者さんや患児さん対象に、認知面の改善を主な目的に学習しています。もちろん、その改善により、就職・復職という自立に向けての学習です。少年院では、学力をつけ、退院後に就職や進学するために学習をしていますが、そのことが再犯予防にもつながるそうです。こうした導入では、公文への期待の大きさを嬉しく感じるとともに、その責任の大きさによりいっそう身が引き締まる思いです。

就労移行支援施設での学習風景(東京)

※1 厚生労働省の資料によれば、児童福祉施設とは、児童福祉法に規定される施設で、児童養護施設のほか、助産施設・乳児院・母子生活支援施設・知的障害児施設などのほか全14種があります。これらの施設で、保護者のいない子どもたち、被虐待児など家庭環境上養護を必要とする子どもたちに対し、公的な責任として、社会的に養護をしています。対象の子どもたちは約45,000人います。

※2 就労移行支援施設(または事業所)は、障害者総合支援法での障害福祉サービスのひとつである「就労移行支援」のサービスを提供します。障害のある方を対象に、仕事をするうえで必要な能力やスキルを身につけるためのさまざまな職業訓練プログラムを用意するほか、就職活動全般をサポートしています。また、「就労移行支援」は比較的新しいサービスです。2006年の障害者自立支援法(2012年改正、2013年障害者総合支援法に)の施行に伴い、それまでの「授産施設」「小規模作業所」(通常の就労がむずかしい障害者のための働く場)のほとんどは、就労そのものの場を提供する「就労継続支援A型(雇用契約あり)」「同B型(雇用契約なし)」、そして就労に必要な能力やスキルの向上を図るための「就労移行支援」などの施設(事業所)へと移行しています。

※3 高次脳機能障害は、脳挫傷などの頭部外傷、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害による脳のダメージの後遺症です。記憶・注意・言語・視覚・社会的行動などに障害や機能不全が生じる、つまり脳の高次な機能に障害が生じるため、日常生活や社会生活に支障をきたしてしまう障害の総称です。その症状はひとりひとり異なるといわれています。ちなみに、公文式を導入しているリハビリ病院と公文との共同研究では、知覚統合、情報処理、注意の持続性・安定性・選択性の向上などの面で効果があることがわかっています。

真の意味での自立とは?“なりたい自分”になれているのだろうか…

2016年あたりから放課後等デイサービス(※4)での導入が増えていますが、それには迷いもありました。放課後等デイサービスは、障害のある子たちを対象とした療育の提供の場です。ですから、公文がお役にたてるのか疑問があったのです。しかし、2016年に入ってから、そういった考えを改めなければいけないと気づいたのです。きっかけは、就労移行支援施設の利用者さんたちの就労の実態を調べ、個別にヒアリングもさせていただいたことでした。公文式学習により就労実績が向上したとはいえ、その半数近くが、いわゆる“軽作業”という清掃や組み立てなどの仕事でした。もちろん、ご自身が希望される職種に就く方もいますが、多くはありません。

放課後等デイサービスでの学習風景(千葉)

実際、こんな利用者さんもいました。東京のある就労移行支援施設を利用されている20代後半の女性。軽度の知的障害はありますが、とてもしっかりした方です。この女性の希望職種はパティシエ。お菓子屋さんでの勤務経験もありましたが、お菓子作りの仕事はさせてもらえなかったそうです。その理由は、お菓子作りにはいろんな材料の計量や割合などの計算が必要だからです。いったんお菓子屋さんを辞め、現在の施設に来たのが2015年の夏。そこで公文に出会い、算数の教材に懸命に取り組みはじめました。しかし…学力診断テストにより、彼女がスタートした公文の算数の教材は小1レベルのたし算。1年半後の現在、教材進度は小2レベルの筆算の引き算。よくがんばっていると思います。けれども、パティシエになるのに必要な数学の力は中1レベルくらいだそうです。そして、就労移行支援施設の利用期間には2年間という制約があります(※5)。障害の有無にかかわらず、個人別で着実に学力を高められる公文式とはいえ、あと6ヵ月で約5学年分の学力をつけるのは至難です。このことを部内で話し合ったところ、ほとんどのメンバーが“この女性が小学生か中学生のころから公文を学習していたら、高校卒業のころには中1レベルの教材まで行けたのでは…。とてもくやしい”という想いでした。

その後、彼女のお母さまとお話しすることができ、こんなことをうかがいました。「小学校に入ってすぐのころ、近くにあった公文の教室に通わせようと思ったのですが、その当時は多動もあり、今で言うパニック障害のような症状もあったので、ご迷惑になるだろうと思い、教室のドアをたたけませんでした。シングルマザーで、経済的にも塾へ行かせる余裕はなかったですしね」。このお母様の言葉に、とても考えさせられました。ほかの利用者さんと保護者の方にも聞いてみたところ、“ご迷惑になるから…”“経済的に…”という理由で、公文の教室に通うのをあきらめた方が予想外に多いことに驚かされました。

迷いは残りましたが、公文の障害児教育では、東北大学の川島教授をはじめとする外部の識者のみなさんとの共同研究で、公文式学習が学力だけでなく、社会性や認知面の改善など療育的な面でも効果があることがわかっていたこと。そして、何より「個々の人間に与えられている可能性を発見し その能力を最大限に伸ばす」という公文の理念に後押しされ、2016年からは、放課後等デイサービスで導入を希望される事業体や団体さんなどがあれば、よく話し合って、子どもたちをともに支援するパートナーとして信頼できることがわかれば、導入させていただくようにしています。“小学生・中学生・高校生のときから公文を学び、そのあと就労移行支援施設でさらに学びに磨きをかけ、自分のやりたい仕事に就く”。これが理想だと思うのです。つまり、より長い期間を通しての学習支援が、将来の就労という自立支援につながると考えています。

※4 放課後等デイサービスは、児童福祉法(厚生労働省)によって定められた障害のある子たちへの新たな支援です。2012年4月からスタートしています。その内容は、同省資料によれば、“授業の終了後又は休業日に、生活能力の向上のために必要な訓練、社会との交流の促進その他便宜を供与する”とあります。言葉を代えれば、“学齢期の障害のある子たちの健全な発達を促し、将来の自立を促進するための支援となる良質な療育の提供の場”ともいえます。放課後等デイサービスの多くの施設は、街なかにあり、その支援の形態も、運動系・音楽系・学習系など様々。定員は10人という施設がほとんどです。同様の支援で、未就学の障害児対象の“児童発達支援”もあります。

※5 就労移行支援施設(または事業所)は、障害のある人たちが仕事に就くために必要な能力やスキルを身につけるための、いわば“学校”のような学びの場。利用料は必要ですが、基本は1割負担なので比較的安価です。また、所得等に応じ利用者負担上限金額が適用されるため、自己負担なしで利用できる場合もあります。ただし、利用期間は基本2年間(再延長あり)という制約があります。

学びを通しての、人生を拓く支援

公文式教室以外での学びの場はさらに広がっています。障害の重い方が多く、学習にも就労にも縁遠いとされることが多い、就労継続支援B型事業所での導入。社員教育の一貫として、障害のある社員さんの能力を高め、仕事の質を向上するために公文をという大手企業の特例子会社。“死にたい”という言葉を日常的に口にする不登校の子たちが集うフリースクールでの学び。10代から40代のひきこもりの人対象の青少年更生施設での、脱ひきこもりをめざした学習。どの施設のみなさんも、その想いは真剣であり切実です。その想いに応え、障害を含む、さまざまな課題のある子どもたち、大人たちの、これからの人生を拓く支援を、公文式学習を通してしていく。その実現に向け、日々の仕事によりいっそう真摯に向き合っていきたいと思います。

就労継続支援B型事業所での学習風景(山梨)

(2017年3月現在)

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